11月16日(水) 10:30-12:15

CITY

10:30-12:15

タイトル 都市、気候変動とSDGs:脱炭素で持続可能な未来を拓くマルチレベルガバナンス
概要 本イベントでは、脱炭素で持続可能な社会の実現に向けた都市の役割の重要性に注目し、大きな転換にいち早く取り組む先駆的な自治体の経験に迫ります。

パリ協定の履行、とりわけ2度目標(及び1.5度努力目標)の達成には、今世紀後半の脱炭素社会の実現が不可欠であり、あらゆるステークホルダーによる積極的な行動の必要性が強く認識されています。同時に、持続可能な開発のための2030アジェンダで示されたSDGsの達成には、気候変動を含む多様な課題に対して統合的に取り組む必要があるとの考えが広く受け入れられています。

気候変動対策とSDGsへの取り組みにおいて、都市が実施に当たる主要な主体の一つであり、あらゆるレベルの政府と多様な主体による協調が不可欠であるとの視点から、国、地方自治体、中間支援組織を招き、それぞれの役割と協力推進の方向性についての理解を深めます。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
山本公一 日本国環境大臣による開会挨拶では、気候変動対策とSDGsの達成における都市の役割の重要性(第1部テーマ)、国と地方の連携の重要性(第2部テーマ)について、闊達な議論が行われることへの期待が述べられた。

ジノ・ヴァン・ベギン イクレイ世界事務局長の司会による第1部では、基調スピーチに村上周三環境未来都市推進委員会座長が登壇し、SDGsのローカライゼ―ションの必要性と、SDGsを取り込んだ環境未来都市イニシアティブの今後の方向性が示された。続いて、脱炭素で持続可能な社会に向けて先駆的に取り組む、日本及び欧州の4自治体(東京都、横浜市、オスロ市、パリ市)から、気候変動対策とSDGsの達成に同時に取り組むことの意義・必要性と取組事例、交通分野における共便益の例などが紹介された。日本国環境省からは、SDGsに関する国際協力の取組が紹介された。

玉木林太郎OECD事務次長の司会による第2部では、基調スピーチにカロリーナ・スクーグ スウェーデン王国環境大臣が登壇し、持続可能な社会の実現に向けた国の役割は、クリアなビジョン(方向性)を示して、地域でのアクションを支援する事だと指摘した。続くパネルディスカッションでは、4自治体(東京都、横浜市、オスロ市、パリ市)が、国と自治体の連携についてそれぞれの立場からコメントした。気候変動対策を推進するためには、国と地方との協力は必要不可欠であるという共通理解のもと、世界の温室効果ガス排出量の大半を都市が占めていることから、都市による迅速な対策が求められていることが再確認された。この中で、自治体の先進的な取組を可能にし加速するための、国による環境整備・支援に対する期待が示された。同時に、国による制度や政策が自治体による取り組みの阻害要因とならないよう留意し工夫することが重要であるとの指摘があった。

閉会にあたり、玉木OECD事務次長は、異なるレベルの政府間の連携とパートナーシップを有効にするためのメカニズムをケーススタディを通じて明らかにすることで、OECDとして引き続き貢献していきたいと発言した。ヴァン・ベギンICLEI世界事務局長は、気候変動対策とSDGsの達成に向けて、都市の自治力を活かした分散型再生可能エネルギーへの移行などを進めて行くことの重要性を指摘し、ICLEIはそのためのサポートを今後も続けて行きたいと述べた。
キーメッセージ SDGsは、持続可能性の観点から都市全体の施策を点検するための参照指標として有効である。一方で、SDGsの目標自体は抽象的であることから、多様な都市レベルのプロジェクトにおいて具体的なアクションに落とし込む必要がある。このために、優良事例を共有する仕組みや、同様の取組を世界的な規模でスケールアップするための活動が必要である。

気候変動対策を推進して行く上で、国と地方との協力は必須である。国には、都市の先進的な取組を後押しし、自治体が更に能力を発揮できるようにするための環境整備が求められている。また、国の制度や政策が自治体による先進的な取組みの妨げにならないよう留意し工夫することも重要である。
各種資料 発表資料 1(英文)(PDF・591KB)
発表資料 2(英文)(PDF・345KB)
発表資料 3(英文)(PDF・1,182KB)
発表資料 4(英文)(PDF・1,529KB)
発表資料 5(英文)(PDF・270KB)
発表資料 6(英文)(PDF・1,048KB)
イベント風景
  • 11月16日(水)10:30-12:15のイベント
  • 11月16日(水)10:30-12:15のイベント
報告者 イクレイ日本 大塚隆志