11月16日(水) 13:00-14:30

Technology

13:00-14:30

タイトル パリ合意後の行動:イノベーションによる地球規模でのネットゼロエミッションの経済成長に向けて
概要 パリ協定の発効も現実的なものとなり、いよいよ新しい気候変動対策に向けてスタートを切る時が迫っている。本イベントでは、地球規模での「ネット・ゼロ・エミッション」(人為的なCO2排出量を人為的吸収量で相殺する)という究極目標の達成とイノベーションによる経済成長の促進をいかにして両立させるかを探求する。様々な分野のステークホルダーが参加し、本テーマに関する好事例の紹介や、問題提起、提言を行う。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
  1. 経団連手塚座長
    • 経済成長を実現させながらCO2削減を図る鍵は技術であり、短期的には既存技術の普及、中長期的には革新的技術開発とその普及を図ることが重要性を指摘。
    • 経団連の自主行動計画が国内外での排出削減に大きな成果を上げおり、パリ協定の特徴である各国からの自主的な目標(NDC)とその進捗を評価し、見直していく「グローバル・ストックテイク」は、まさに、日本が提唱してきた「プレッジ・アンド・レビュー」そのものであること、また「低炭素社会実行計画」では革新的技術開発にも取り組んでいることを紹介。
  2. METI長田室長補佐
    • 政策立案者の立場からエネルギー・環境技術のイノベーションを加速するために策定された「エネルギー・環境イノベーション戦略」と、2030年以降の長期の温室効果ガス削減に向けた対策検討のための「長期地球温暖化対策プラットフォーム」について紹介。
    • 現在日本政府が推し進めている二国間クレジット制度(JCM)の取り組みを例に、日本は、国内の削減だけでは世界全体から見て少量の排出削減だとしても、海外との協調により地球規模での排出削減に貢献することができると訴えた。
  3. CO2 SciencesのBenerd chairman
    • 自身の取り組んでいるCO2由来製品の開発及び商業化によるCO2排出削減事業について紹介。適応、脱炭素化、回収・貯留に加え、回収・利用という気候変動に対する新しい対応策の一つに焦点を当て、これまで温暖化問題にとって負の産物でしかなかったCO2の高度利用の商業的可能性について発表。
  4. パネル・ディスカッション
    • CO2回収の費用的側面に焦点を当て、どのように市場性を確保できるか議論。
    • Bernard chairmanはセメント工場など産業界からのCO2回収の容易さからコスト削減の可能性を指摘。
    • 長田室長補佐は政府が支援している実現可能性調査のひとつにコンクリート製造工場におけるCO2固定に関するものがあり、本調査により実現可能性が担保されるならば、CO2固定の商業化もより現実的なものとなると言及。
    • 手塚座長からは自身の鉄鋼業界での経験をもとにCCSの技術性とコスト問題を指摘。将来的なCCSとCCUのコラボレーションによる気候変動問題解決の可能性を示唆。
キーメッセージ 日本はこれまでも官民協調して、地球温暖化対策に取り組んできた。

産業界の自主的な目標設定と、それを支援する政府の諸政策、それらが連携して着実に成果をあげていることや、イノベーションによる対策の効率化・加速化、海外での技術移転・協調プロジェクトの推進も好事例。

2030年、ひいては2050年を見据えた地球温暖化対策として、従来の技術を大幅に凌駕する優れた地球環境技術の開発と実用化を進め、国内はもとより、世界と協調して、地球規模での環境と経済を両立させた貢献ができるよう取り組んでいく。
各種資料 発表資料 1(英文)(PDF・1,280KB)
発表資料 2(英文)(PDF・384KB)
発表資料 3(英文)(PDF・2,559KB)
イベント風景
  • 11月16日(水)13:00-14:30のイベント
  • 11月16日(水)13:00-14:30のイベント
報告者 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 窪田 彩花