11月16日(水) 15:00-16:30

Technology

15:00-16:30

タイトル 「CO2ネット・ゼロ・エミッション」を目指した持続的発展と今後のイノベーションのあり方
("Innovation for Cool Earth Forum (ICEF)"ロードマップ発表イベント)
概要 産学官による国際的なプラットフォームであるICEFは、「人為的なCO2のネット・ゼロ・エミッション」を目標に掲げ、社会の持続的な発展とそれを下支えするイノベーションと国際連携などの重要性について議論するとともに、CO2利用技術及びZEB/ZEH分野の「ICEFロードマップ」を作成。
本イベントでは、ICEFでの議論とロードマップを発表し、今後のイノベーションのあり方について議論を行う。
主催/共催
プログラム

※詳細については、こちらのウェブサイトを参照して下さい。(ICEFウェブサイト)(英語)

セッション
サマリー
経済産業省 末松産業技術環境局長は、ICEFの概略を紹介し、イノベーションの役割、国際協力の重要性を強調した。NEDO渡邊理事は、本年10月に開催したICEF年次総会の結果を踏まえ、参加者にCO2ネット・ゼロ・エミッションの実現、ICEFと国際的イニシアティブとの連携、早期行動を呼びかけた。また、IPCC議長Lee氏は、科学コミュニティとしてパリ協定に助言する1.5℃特別報告書の準備状況を述べた。また、ゼロ・カーボン・エミッションの実現に向けては、経済面、制度面の障壁を同定し、それを克服していくことが重要であるとした。
コロンビア大学Sandalow教授とCO2 Sciences社CEOのDairanieh氏は,「CO2利用ロードマップ」を紹介した。2030年時点でのCO2利用ポテンシャルは、現時点での全世界のCO2排出量の約15%に達するが、留意点として、CO2ライフサイクル分析の重要性も指摘された。
エネ総研黒沢部長は、建築物ネット・ゼロ・エネルギーを達成する「ZEB/ZEHロードマップ」を報告した。大幅なエネルギー需要増大が見込まれるアジアやアフリカの湿潤温暖地域を念頭に、空調に関しては気候帯別ロードマップを提案し、設置機器、構造物、再エネ統合、エネルギーマネージメントの4技術群の想定実現時期を示した。
パネル・ディスカッションでは、今後の途上国の新築建築物の多さ、地域・技術の事情に応じたカスタム化、パリ協定目標実現のためのICEFの様な実用アプローチの有効性が指摘された。IEAでは,建築物外皮(Envelope)分野を含む21ロードマップがあり,技術進歩、資金・人材等の資源、政策支援が共通課題であることが説明された。フロアからは、途上国資金調達の質問があり、ZEB/ZEHの事例では都市開発と一体となった国際支援の可能性が示唆された。
キーメッセージ ICEFは、イノベーションによる気候変動問題の解決を目指す国際的なプラットフォームとして、本年は、第3回年次総会の議論を経て、「CO2利用技術」、「ZEB/ZEH」のロードマップを作成し、各分野のイノベーションの方向性を示した。気候変動問題の解決を目指すには、全世界で直ちに行動を起こすべきとの認識共有、様々な国際的なイニシアティブとの連携強化、短期とともに中長期的なイノベーションの重要性が示された。
各種資料 パンフレット(英文)(PDF・3,069KB)
発表資料 1(英文)(PDF・698KB)
発表資料 2(英文)(PDF・1,840KB)
イベント風景
  • 11月16日(水)15:00-16:30のイベント
  • 11月16日(水)15:00-16:30のイベント
報告者 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) フェロー 黒沢厚志