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High-Level Week

16:00 - 17:15

タイトル

インドネシアにおける緩和行動-低炭素型開発や二国間クレジット制度(JCM)等の実施と関連協力事業から得られた教訓

イベント概要

本イベントでは、インドネシアの緩和にかかる取り組み状況に加え、インドネシアにおける低炭素型開発のための能力強化やJCM実施体制に対する支援を行ってきた協力事業の成果を紹介する。パリ協定の採択後、途上国もNDCの策定・実施が求められる中、インドネシアの気候変動政策・NDCの実施戦略とJCMを含むパリ協定第6条のもとのアプローチ・メカニズムの位置付けや関連政策間の整合性等、インドネシアにおいて特定された政策的課題・教訓等を共有する。インドネシア以外のJCMパートナー国からの討論者も招き、他国とも共通する論点・教訓を提示し、他国の緩和策の実施や国際交渉への貢献を期待する。

キーワード

緩和策、JCM、インドネシア、キャパビル

登壇者
  • Rizal Edwin Manansang(インドネシア経済担当調整大臣府)
  • JICA本部
  • インドネシア環境林業省(調整中)
  • インドネシアエネルギー鉱物資源省(調整中)
  • Dicky Edwin Hindarto(インドネシアJCM事務局)
  • 市原 純(JICAインドネシア低炭素型開発支援プロジェクト)
  • ベトナム天然資源環境省(調整中)
  • タイ温室効果ガス管理機構(調整中)
主催者
  • 国際協力機構(JICA)
  • インドネシア経済担当調整大臣府
  • 地球環境戦略研究機関(IGES)
最終プログラム

開会挨拶(10分):

  • Rizal Edwin Manansang 経済担当調整大臣府多国間経済協力・ファイナンス担当次官補(インドネシア)
  • 鴫谷 哲 国際協力機構(JICA)地球環境部気候変動対策室室長(日本)

イントロダクション(5分):

  • 市原 純 国際協力機構(JICA)インドネシア「低炭素型開発のためのキャパシティディベロップメント支援プロジェクト」チーフアドバイザー(日本)

講演(35分):
インドネシアのエネルギー分野のNDC対策

  • Ida Nuryatin Finahari エネルギー鉱物資源省省エネルギー局長(インドネシア)
    インドネシアにおけるJCMの取り組みと現状
  • Dicky Edwin Hindarto インドネシアJCM事務局長(インドネシア)
    インドネシアにおけるJICA低炭素開発型プロジェクト協力から教訓
  • 市原 純 国際協力機構(JICA)インドネシア「低炭素型開発のためのキャパシティディベロップメント支援プロジェクト」チーフアドバイザー(日本)

ディスカッション(20分):モデレーター Cahyadi Yudodahono 経済担当調整大臣府ファイナンス協力課長(インドネシア)

  • Thawatchai Saengkhamsuk 温室効果ガス管理機構戦略局長(タイ)

閉会(5分):

  • 武内 和彦 地球環境戦略研究機関(IGES)理事長(日本)

セッションサマリー

本イベントは、インドネシアにおけるJCMを含む気候変動緩和対策の実施状況と関連する課題・教訓の共有を行うものである。

まず、インドネシア側の冒頭挨拶にて、インドネシアの気候変動目標やJCMのこれまでの取り組み・現在の概況などが紹介された(Edwin氏)。JICAの冒頭挨拶では、気候変動対策分野における協力、特にインドネシアでの協力が紹介された(鴫谷氏)。
その上で以下の3つのインドネシアの緩和策にかかるプレゼンテーションを実施した。

  1. インドネシアでは、NDCの目標達成のために、エネルギーセクターで4割弱の削減を行う計画である。そのための主要な方策は、再生可能エネルギーの導入と省エネの促進であり、エネルギー鉱物資源省で関連する政策・プログラムを実施中(Ida氏)。
  2. インドネシアではJCM制度構築および案件の形成・実施が進んでいる。各種ガイドラインの策定(持続可能性指標を用いたモニタリング制度の導入を含む)され、12件の方法論が承認済み。JCMプロジェクトの案件形成・実施促進のため補助金などを通じた投資促進が進んでいる。JCM都市間協力も進んでおり、今年から富山市とスマラン市、川崎市とジャカルタ特別州の協力が進められる見込み(Dicky氏)。
  3. 2014年よりJICAが実施する「インドネシア国低炭素型開発のためのキャパシティディベロップメント支援プロジェクト」においてJCM実施促進・実施体制整備のための能力強化行っている。中でも、政府内の実施体制強化、広報や普及啓発活動、モニタリングと報告支援などを幅広く実施中。また、緩和関連の政策分析支援も実施しており、今後のJCM案件を含む緩和対策のさらなる実施促進のためには、国内関連政策規制の改善(NDCとJCMの関係性整理、インセンティブ付与の重要性、統合的なMRV・レジストリ制度構築等の課題)、また、入札制度やファイナンスに係る障害への適切な対応等が課題である(市原氏)。
    続く討議・質疑応答セッションでは、はじめにタイの緩和対策とJCMの積極的な取り組みを紹介(Thawatchai氏)。また、JCMのパリ協定における位置づけ、メリット、実施の課題、炭素価格等につき議論が行われた。
    最後に、IGESよりインドネシアの関連活動からの教訓を紹介しつつ、閉会挨拶が行われた(武内氏)。

キーメッセージ

インドネシアでは、JCMや緩和の取り組みが進んでいるが、(特に民間事業者による)JCMや緩和策の更なる推進に向けた課題が残っている。NDC上のJCMの位置づけの明確化(炭素取引の活用方針策定含む)、異なるセクター間の政策調整強化、国内規制に係る課題・障害に対応した政策改善、ファイナンス面の課題の対応などである。

加えて、関係国間(関係者間)の情報共有や相互学習、ファイナンス分野・地方自治体関係者等の重要なステークホルダーへの意識啓発・キャパビル実施などが今後も重要である。


報告者所属・名前

国際協力機構(JICA)市原純


写真

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