地域から広げる「公正な移行」~「環境と社会・経済の統合的向上」の実現のために~
主催者
- 日本労働組合総連合会(連合)
イベント概要
【イベントプログラム】
1.開会・課題提起 南部美智代(連合副事務局長)
2.専門家によるプレゼンテーション
(1)サマンサ・スミス 氏(国際労働組合総連合(ITUC)・公正な移行センター所長)
「公正な移行 ~都市や国で、そして国家計画へ~」
(2)カミラ・ローマン 氏(国際労働機関(ILO)企業局グリーンジョブプログラム専門家)
「すべての人々のための持続可能な環境、社会・経済に向けた公正な移行」
(3)平田仁子 氏(気候ネットワーク理事)
「日本における脱炭素化と公正な移行」
3.ミニパネルと会場からの質疑と意見交換(コーディネーター:鈴木人司(連合本部社会政策局次長))
・全登壇者
4.閉会 小熊 栄(連合社会政策局長)
登壇者
- 南部 美智代 日本労働組合総連合会(連合) 副事務局長
- サマンサ・スミス 公正な移行センター 所長
- カミラ・ローマン 国際労働機関 企業局グリーンジョブプログラム専門家
- 平田 仁子 気候ネットワーク 理事
- 鈴木 人司 日本労働組合総連合会(連合) 社会政策局次長
- 小熊 栄 日本労働組合総連合会(連合) 社会政策局長
セッションサマリー
地域からの「公正な移行」を主題とした本イベントでは、南部連合副事務局長からの課題提起を受けて、各登壇者から、地域における「公正な移行」についてそれぞれの立場から発表を受けた。労働組合を代表し、スミス氏からは、カナダやニュージーランドにおける労働者が政策決定に関与する先進事例の紹介と労働者の関与の重要性が、国際労働機関のローマン氏からは、ILOが進めるグリーンジョブと公正な移行に関するパイロットプログラムから得た知見に基いて、政・労・使に加えて市民の役割と社会対話の必要性が、また市民セクターの平田氏からは、地域においてこれまでの石炭火力発電事業に代わり再生可能エネルギー事業を育てていくために、経済・社会面で準備すべきことについて報告があり、参加者間で共有された。続くミニパネルでは、地域で社会対話を広げていく鍵について、地域行政が主導し関係者を巻き込んでいくこと、そのための労働組合や市民団体による働きかけの重要性等について、議論が交わされた。
その他残したいメッセージやイベントにおける成果
すべてのプレゼンテーションやディスカッションを通じて、地域社会・経済を形成する関係当事者の参加を基礎とした社会対話の重要性が共有された。地域での気候変動対策のインパクトは地域により異なり、かつ採るべき「公正な移行」に係る対応も地域ごとに変わる。そのために、①政・労・使三者、そして関係する市民セクター(Civil Society)が対話を通じて地域レベルの政策決定に関与すること、②労働者は、労働組合を通じて労働者の声を政治の場に届けること、③社会対話を基礎として、当該地域の課題と解決に向けた方策を事前に出し合い実施計画の精度を高めることで、地域レベルで「公正な移行」を実現していくことが必要である。