15:00 - 16:30
タイトル | 気候変動への適応と農業保険 |
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イベント概要 | 気候変動の影響に脆弱な農業セクターにおいて、昨今、気候変動適応策の一つとして途上国でも導入が進みつつある農業保険。天候インデックス型保険を中心に、民間資金・技術の活用も進んでいる一方で、多くの国では未だビジネスとして成立するには程遠く、政府が果たす役割は大きい。 本イベントは2部構成とし、前段では、インドネシアをはじめ開発途上国における農業保険の取り組みの現状について発表を行う。後半はパネルディスカッションとし、農業保険における政府・民間及び開発パートナーの役割などについて意見交換を行う。 |
キーワード | adaptation, agricultural insurance, collaboration with developing countries, concrete actions by non-state actors |
登壇者 | インドネシア共和国 国家開発計画省; 農業省; 国営損害保険会社ジャシンド社、独)国際協力機構、民間企業、他 |
主催者 |
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気候変動への適応と農業保険
司会:
開会挨拶、アジェンダ・セッティング (10分):
講演 (20分+15分+15分):
農業保険のイノヴェーションと新たな潮流
パネル討論、質疑応答 (20分):
総括と閉会挨拶 (10分):
本セッションは、JICA、GIZ、InsuResilience、Jasindo(インドネシア国営保険会社)の共催により、農業保険の可能性と課題、またその普及促進に有効なアプローチに関する理解を高めることを目的に行われた。この観点から、インドネシアで進行中の取り組みに関する発表と議論が行われた。
気候変動の影響が強まる中、干ばつ、洪水、病害虫などのリスクから農家を守るための手段として、農業保険に対する開発途上国の関心やニーズが高まっている。しかしながら、その普及・促進にあたっては、いくつかの課題がある。例えば、保険に対する農家の需要や、保険商品の販売・流通、あるいは政府の補助金にまつわる問題、さらには、損失補填型の保険について逆選択とモラル・ハザード、インデックス型保険については、いわゆるベーシス・リスクの問題などが存在する。こうした課題を克服するために、リモート・センシング技術の応用、新たなビジネス・モデルの構築、リスク評価や商品の流通などの分野におけるデジタル化の推進といった取り組みが求められる。また、保険を導入するにあたり、経済・金融面だけではなく、対象となるコミュニティーの社会的・文化的な背景を適切に理解することが求められる。
気象災害は世界的に拡大しており、極端な気象現象に伴うリスクは今後ますます高まると予想される。世界全体で見れば、損失の全体額は、付保された損失額の全体をはるかに上回る、いわゆる「プロテクション・ギャップ」が生じている。このギャップを埋めるための国際的な取り組みはますます求められる。
独)国際協力機構 川西正人
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