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Adaptation

13:00 - 14:30

タイトル

気候変動への適応への援助:有効性の評価

イベント概要

気候変動への適応に関連する援助の有効性は、限られた資源が成果をもたらす形で分配・使用されることを保証するために極めて重要な課題です。 最近の研究は、最も脆弱な国々で援助が優先されているかどうかについて、異なる結論を示しています。 開発途上国における脆弱性の軽減、気候変動に対する強靭性向上の支援へ向けた適応関連ODAの有効性の評価にまで踏み込んだ研究は、これまでほとんどなされていません。招待されたパネリストは、関連するトピック(例えば、適応のための民間資金や適応プロジェクトの実施における課題)について簡潔なプレゼンを行った後、聴衆の参加も得ながら議論を行い、適応に向けた気候変動ファイナンスの有効性を測定するための適切なアプローチに関するフィードバックを引き出します。

キーワード

Adaptation; resilience; aid effectiveness

登壇者
  • ジョルジュ・モレイラ・ダ・シルヴァ、経済協力開発機構開発協力局長
  • エリック・ウィリアムズ、経済協力開発機構気候・環境・開発金融政策アナリスト
  • 鴫谷哲、国際協力機構気候変動対策室室長(招待中)
  • サリーマル・ハグ、国際環境開発研究所気候変動担当上級研究員(招待中)
  • イースター・ガルヴァオ、環境モニタリング&ガバナンスディレクター、太平洋地域環境計画事務局(招待中)
モデレーター
  • イヴォ・ド・ボーア、「レスポンサビリティ」創設者
主催者
  • 経済協力開発機構(OECD)
  • 国際協力機構(JICA)
最終プログラム

基調講演(10分):適応関連開発資金の効果を評価する

  • エリック・ウィリアムズ 経済協力開発機構(OECD)開発協力局 政策分析官

パネル・ディスカッション(40分)

  • 国際協力機構(JICA)気候変動対策室 副室長 佐藤一朗への質問:適応関連事業の効果の測定に対するJICAのアプローチはどんなものか。それは「標準的な」開発プロジェクトと異なるのか。
  • サモア国 天然資源環境省 CEO補佐 アンネ・ラスムッセンへの質問:各国と開発機関は適応効果の評価を改善するため、どのように協力できるか。
  • DEval社 ディレクター ヨルグ・ファウストへの質問:適応支援の効果の評価への取り組みは、より一般的な開発の評価の経験から何を学ぶことができるか。
  • ドイツ国際協力公社 気候資金専門家 ティモ・ライターへの質問:プロジェクト/プログラム評価から学んだ教訓は、適応に対する地域・国のアプローチにおいて参考にするうえで、どのような助けとなるか。
  • 全パネリストへの質問:適応支援の効果をより良く理解するために、優先的に取組むべきさらなる手法・能力開発は何か。

聴衆との公開討論(35分)

パネリストとモデレーターによるまとめと閉会(5分)


セッションサマリー

気候変動適応関連開発協力の計画と効果の評価の困難さは、世界の気温変化予測の不確実性と気候変動影響の非線形性によって増大する。対象地域の気候変動影響予測を含む適切な計画プロセスは、効果的な適応関連開発協力事業を計画するうえで決定的な役割を果たすが、そのための能力が地方及び国のレベルで不十分なことが多い。さらに、適応事業の効果を増すためのツールとして、国家適応行動計画、モニタリング評価システム、効果・成果ベースの管理、中間評価、及び早期警報システムがある。

適応関連開発協力プロジェクトの効果を評価するにあたって、評価者は3つの役割を担う:

  1. 事業が効果的かそうでないか、またその要因は何かについての知識を生み出すこと。これには、起因か貢献かの問題、及び長期的な事業とそのアプローチの調和化を含む。
  2. 効果創出/効果阻害の要因についての学習を促進すること。これには、結論をいかに伝達するかという課題を含む。
  3. 公共支出に関する民主的な説明責任を提供すること。

気候変動適応資金の計測は、地方・国レベルにおいてなされた気候変動適応の進捗を評価するための前提条件である。そのうえで、「適応プロジェクト」の定義は何かは決定的に重要であり、OECDの適応に関するリオ・マーカーのガイドラインは、OECD開発委員会の援助国報告システム(CRS)へのドナーの報告の整合性を確保するうえで極めて重要である。OECD開発委員会のCRSと条約(国連気候変動枠組条約)に提供されるデータ、及び途上国から提供されるデータの間の調和化を図ることは重要である。さらに、パリ協定の要素、すなわちグローバル・ストックテークと透明性枠組は、適応関連開発プロジェクトのモニタリング・評価の重要性を高めた。

グローバル・レベルの適応、持続可能な開発目標(SDGs)、仙台防災枠組の進捗の計測に関しては相乗効果があるが、それぞれのプラットフォームには特定の重点があるため、個々のモニタリング・フレームワークは、他を代替すべきではない。


キーメッセージ
  • 適応効果の評価に対する従来のアプローチを補完する、適応能力評価の指標が必要。
  • 既に多くの情報が存在するが、途上国において、地域の計画策定に組み込むべく、そのデータを分析し、効果的な適応事業の優先順位づけに活用していくための現地の能力が必要とされている。
  • 評価はドナー主導であり、現地ステークホルダーの参画が必要。
  • 適応関連プロジェクトの形成のためのガイドラインが必要。プロジェクトの効果の計測は最終地点だが、プロジェクトの開始時にはプロジェクトを効果のあるものに計画する機会があり、この計画段階が最大の努力を要するところである。
  • 学んだ教訓を伝達することが必要。
  • 適応プロジェクトの評価においては、異なる学問分野を融合し、異なる情報源を組み合わせることが必要。

報告者所属・名前

経済協力開発機構(OECD)開発協力局 政策分析官 エリック・ウィリアムズ


写真

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