イベントスケジュール - COP25 JAPAN PAVILION
2019.12.11
脱炭素化への飛躍―ICEF産業用熱脱炭素化ロードマップ発表イベント
主催者
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
イベント概要
経済産業省とNEDOが共催している国際会議であるICEF(Innovation for Cool Earth Forum)の産業用熱脱炭素化ロードマップを発表するとともに、国際機関、産業界等からのコメントを得て、ファイナンスなどの観点から技術を社会実装しイノベーションを起こしていくための課題と解決策を検討する。
登壇者
- 及川 洋 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 副理事長
- デービッド・サンダロー コロンビア大学世界エネルギー政策センター 創立フェロー
- S. フリオ・フリードマン コロンビア大学世界エネルギー政策センター 上席研究員
- ネボイシァ・ナキチェノヴィッチ 2050年の世界(TWI2050) 事務局長
- 古川 隆 住友化学株式会社 レスポンシブルケア部 担当部長
- 吉高 まり 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 環境戦略アドバイザリー部 チーフ環境・社会(ES)ストラテジスト
配布資料
セッションサマリー
産業用途熱の生産によるCO2排出量が世界のCO2排出量の約10%を占め、自動車と飛行機のCO2排出量を併せた量を超えているにも関わらず、これまで低炭素産業用途熱に関する研究やデータはほとんどなかった。本ロードマップでは、①産業用途熱の低炭素化を実現できる可能性がある技術として水素、電力化、バイオマス及びCCUSを取り上げ、資本・運転コスト及びカーボンフットプリント面での効果を試算,②セメント、鉄鋼、化学産業についてこれらの技術の組み合わせたケーススタディを実施しており、それらについてフリードマン氏が解説した。また、サンダロー氏より、今後の課題として、①産業用途熱脱炭素化を実現するためには、さらなる研究の推進やデータの改善、コスト削減が必要である、②政策支援も不可欠であり、特に政府調達は、低炭素産業用途熱技術の新規市場を構築するのに重要な手段であると説明があった。
サンダロー氏、フリードマン氏、ナキチェノヴィッチ氏、古川氏及び吉高氏により、本ロードマップを実行していく上での課題と方策について議論が行われた。議論の中で、技術導入の初期段階では政府調達や補助金などの政府支援が重要であることが強調された。また、①鉄鋼、化学などの装置型産業では相互に関係する複数のプロセスを調整した上で各装置の設計・設置が行われ、事後に個別装置に新規技術を導入すると所定の能力が得られないという問題が生じるため、新設時の設備投資が重要であること、②新規技術への投資に際しては、金融に関する知識とともに、技術に対する理解が必要であるが、多くの投資家には後者が欠けており、投資行動が阻害されていることがコメントされ、設備導入の際に民間資金を確保するには、政府・産業界・研究者が協力して低炭素産業用途熱技術を用いた当該産業の未来像を示していくことが重要であると強調された。
2019.12.11 WED のタイムテーブル
気候変動対策の努力の各国協調に向けて
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE)
ネット・ゼロカーボンに向けたイノベーションのチャレンジ
一般財団法人 地球産業文化研究所(GISPRI)
脱炭素化への飛躍―ICEF産業用熱脱炭素化ロードマップ発表イベント
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)