日本の目指す脱炭素でレジリエントな未来
主催者
- 環境省(MOEJ)
- タラノアJAPAN事務局
- 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)
イベント概要
COP23で呼びかけられた世界規模のタラノア対話の実施と呼応する形で、日本でも政府、企業、自治体、研究機関、NGOなどが参加する様々な対話が進められました。日本でのユニークな取り組みのひとつは、オンライン・ポータルサイト「タラノアJAPAN」などを通じた脱炭素社会の実現に向けた優良事例(ストーリー)の共有です。集まった事例は、日本政府によるタラノア対話へのインプットの一部として取りまとめられ、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出されました。本セッションでは、日本でのタラノア対話プロセスを通じて共有されたビジョンや取り組みを紹介しつつ、日本がどのように脱炭素でレジリエントな社会を目指していくのかに迫ります。
登壇者
- 小川 眞佐子 環境省 地球環境局 国際地球温暖化対策担当参事官 プレゼン資料 (PDF, 515KB)
- 下間 健之 京都市 環境政策局 地球環境・エネルギー担当局長 プレゼン資料 (PDF, 2.2MB)
- 小林 憲明 株式会社チャレナジー アソシエイト プレゼン資料 (PDF, 2.8MB)
- 大塚 隆志 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES) 戦略マネージメントオフィス コミュニケーション・共創担当ディレクター プレゼン資料 (PDF, 729KB)
- ハンス・ヨルン・ヴェディゲ ティッセンクルップ社 エネルギー・環境及び気候政策グループコーディネーター
- 石川 智子(ファシリテーター) 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES) 戦略マネージメントオフィス ナレッジマネージメント・連携担当ディレクター
セッションサマリー
COP23で呼びかけられた「タラノア対話」は、パリ協定の目標を達成するために、世界全体の温室効果ガス排出削減の取り組みに関する優良事例(ストーリー)を共有し、取組意欲の向上を目指すものとして、政府、企業、自治体、研究機関、NGOなどが参加する様々な対話が各国で展開されました。
日本でのユニークな取り組みのひとつは、オンライン・ポータルサイト「タラノアJAPAN」などを通じた脱炭素社会の実現に向けた優良事例の共有が挙げられ、集まった事例は、日本政府によるタラノア対話へのインプットの一部として取りまとめられ、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出されました。
本セッションでは、日本でのタラノア対話プロセスを通じて共有されたビジョンや取り組みを紹介しつつ、日本がどのように脱炭素でレジリエントな社会を目指していくのかに迫りました。
まず、環境省の小川眞佐子国際地球温暖化対策担当参事官が、日本が行ったタラノア対話へのサブミッション、および日本でのタラノア対話プロセスを通じて共有されたビジョンや取り組みを紹介しました。また2019年にG20の議長国を務める日本が環境と経済の好循環を目指し、パリ協定に基づく長期温室効果ガス低排出発展戦略(長期戦略)を策定していることを述べました。
続いて京都市の下間健之地球環境・エネルギー担当局長が登壇し、京都市が2つの重要文書「プロジェクト“0(ゼロ)”への道」「持続可能な都市文明の構築を目指す京都宣言」に明記しているように、ライフスタイルやワークスタイルおよび都市インフラにおける変革促進や、都市間連携による知識や経験の共有によって、今世紀後半の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指していることが述べられました。
次に、株式会社チャレナジーの小林憲明アソシエイトからは、同社が研究開発する世界初の台風でも発電可能な「垂直軸型マグナス式風力発電機」について説明がありました。
タラノアJAPAN事務局を務めるIGESの大塚隆志コミュニケーション・共創担当ディレクターからは、オンライン・ポータルサイト「タラノアJAPAN」を通じて、建設・住宅セクターや鉄鋼セクター、地方自治体などの非政府主体から投稿されたさまざまなストーリーが共有されました。
続くディスカッションでは、石川智子IGESナレッジマネージメント・連携担当ディレクターがファシリテーターを務め、指定討論者として登壇したドイツ・ティッセンクルップ社のハンス・ヨルン・ヴェディゲエネルギー・環境及び気候政策グループコーディネーターは、SBSTA48(4月~5月、ボン)で開催されたタラノア対話に参加した経験からコメントし、カーボンニュートラルでレジリエントな未来を次世代に手渡すために、今、我々が行動することの重要性を強調しました。
その他残したいメッセージやイベントにおける成果
- 日本は優れた技術、ノウハウなどの強みを活かしながら、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、環境と成長の好循環を実現する世界のモデルとなるべく、取り組みを進めていく。
- タラノア対話は一過性のイベントではなく、相互理解や信頼関係構築のための重要なプロセスである。気候変動対策における解決策を模索するうえで、今後もこのような対話の取り組みが必要である。
- 2050年に都市人口が世界人口の3分の2を占めると予測されているなかで、気候変動対策における地方自治体および都市間連携の重要性が高まっている。