11月17日(木) 15:00-16:30

Adaptation

15:00-16:30

タイトル 気候変動への適応:民間セクターは先導できるのか?
概要 気候変動への適応を促進するためには、民間企業の関与を促し、途上国への適応技術の移転を押し進めることが重要である。この観点から様々な取り組みが行われているなか、既存のCSR活動や主要製品/技術が、気候変動への適応に寄与する可能性に気づき始めている民間企業も出てきているが、これは一部の積極的な企業に限られているといえる。

提案するセッションでは、民間企業による適応事業の促進に関し、ファイナンス機関(Adaptation Fund等)、気候技術センター・ネットワーク(CTCN)及び民間企業の関係者を交えたディスカッションを行う。先進国の民間セクターに対しては、気候変動への関与が、重荷ではなく、新たなビジネスチャンスになるという認識を高めてもらうと同時に、これらの技術やプロジェクトの提供や組成の支援が、途上国にとっては適応計画の実現に寄与するものであることを共有する。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
冒頭、経済産業省産業技術環境局の高科淳審議官より、開会の挨拶と共に、適応に関する認識の向上は、持続可能な開発において不可欠であること、また緑の気候基金等の資金が適応プロジェクトの促進を後押しするとの発言あった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の吉高まり主任研究員により、経済産業省による日本の民間セクターによる適応活動の支援事業の概要説明と事例紹介が行われ、適応はビジネスチャンスであるとの認識の向上が重要との見解が示された。
UNEP のMozaharul Alam地域気候コーディネータにより、民間セクターは投資活動の主流に適応を位置づけ、開発途上国への既存技術の移転にも努めることが重要であるとの発言があった。
適応基金のDaouda Ndiayeシニア気候変動専門官より、後発開発途上国(LDC)における適応への支援の増加が最も求められていることが強調され、またホスト国が民間セクターにとって魅力的な政策を導入することが、2020年までの年間1000億USドルの気候資金動員目標の達成に近づく手段の一つであるとの見解が示された。
住友化学の村上仁一主幹より、マラリヤの予防に大きく貢献しているWHO認証の防虫剤処理蚊帳を始め、水、食糧、及び保健分野における化学産業の適応への貢献活動の事例紹介があり、更なるビジネス推進のためには政府機関等との連携が効果的であるとの発言があった。
バングラデシュの国際気候変動及び開発センターSaleemul Huq所長より、バングラデシュの塩害対策において、適応への貢献と地元の農民等の両方の利益を図る重要性について見解が示された。
経済産業省地球環境連携室長田課長補佐より、民間セクターが適応への貢献を最大化するにあたり、公的セクターは、ニーズとシーズのマッチング及び資金への橋渡し、信頼性や能力の向上、適応活動の認知向上等で支援ができるとの説明があった。
質疑応答セッションにおいては、米国の参加者から民間セクターが適応活動を実施する場合の地域コミュニティのセーフガードについて質問があり、住友化学の村上氏及び適応ファンドのNdiaye氏からそれぞれの活動における地域コミュニティの利益の考慮について説明があった。また、ブルキナファソの参加者から日本政府の適応支援について関心が示された。
キーメッセージ 民間セクターは、技術力等を梃に様々な適応活動を行っている。民間セクターの役割を最大化するためには、民間セクターによる適応のビジネスチャンスとしての認知向上や、資金動員、キャパシヒティビルディング、当事者間の利益の両立等における民間セクターと公的セクターの連携が不可欠である。
各種資料 イベントフライヤー(英文)(PDF・547KB)
発表資料 1(英文)(PDF・160KB)
発表資料 2(英文)(PDF・354KB)
発表資料 3(英文)(PDF・184KB)
適応グッドプラクティス事例集(PDF・1,409KB)
イベント風景
  • 11月17日(木)15:00-16:30のイベント
  • 11月17日(木)15:00-16:30のイベント
報告者 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 新地菊子