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タイトル | 1.5℃目標は実現可能か? 1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出への道すじ |
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概要 | パリ協定は、2℃目標ですら非常に野心的であるところ、温度上昇を産業革命以前のレベルから1.5℃に抑える努力を追求するとしている。1.5℃目標が実現可能か否かを議論するにあたり、この目標を達成するための技術や社会条件の検証が不可欠である。 パリ協定はまた、衡平性の観点から、また、持続可能な発展や貧困撲滅の努力という観点から、今世紀後半に温室効果ガスの排出源からの人為的な排出と吸収源による吸収をバランスすべきとしている。このサイドイベントは、世界レベル、及び国レベルの双方での1.5℃目標に向けた道すじにおけるネットゼロGHG排出の可能性を議論することを企図している。また、1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出の道すじに関する共同出版のキックオフを兼ねて開催するものである。 |
主催/共催 | 地球環境戦略研究機関(IGES) / 低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet) |
プログラム |
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セッション サマリー |
サイドイベント「1.5℃は実現可能か? 1.5℃目標に整合するネットゼロGHG排出への道すじ」において、基調講演者・パネリストは、それぞれの専門・経験から、1.5℃目標の達成は容易ではないとしながらも、将来のイノベーションを頼みにするのではなく、グリーン成長、ファイナンス、国際協力、行動様式の変化、社会構造の変化など、今から変革に向けてできることを進めていくべきであること、また、将来世代への教育が不可欠であることを指摘した。 また、一連の発表の後にIPCC第三作業部会のJim Skea共同議長がコメントし、IPCCでは「1.5℃目標」とは明言しておらず、実現可能か否か、という問いかけについては「極めて野心的である」と述べるに留めたいとしながらも、極めて大きな挑戦ではあるが、その方向を目指していくことはサイエンスの観点から妥当(reasonable)であると述べた。また、今までエネルギー起源のCo2が大きく取り上げられてきたが、これからは森林や土地利用など、吸収源の議論がもっと取り上げられるべきと述べた。 最後に、本セッションのチェアで、同じくIPCC第三作業部会のP. R. Shukla共同議長が総括を行い、今がまさにネットゼロGHG排出の道すじに乗れるか乗れないかの最後のチャンスであり、これに向けて各アクターによる行動の一層の喚起が重要であると述べた。また、IPCCの1.5℃の特別レポートに向け、様々な関係者の協力を要請した。 |
キーメッセージ | 1.5℃目標の達成は容易ではないが、将来のイノベーションを頼みにするのではなく、グリーン成長、ファイナンス、国際協力、行動様式の変化、社会構造の変化など、今から変革に向けてできることを進めていくべき。 先進技術やイノベーションに関する教育が不可欠である。将来世代への教育なくしてイノベーションはありえない。 今までエネルギー起源のCo2が大きく取り上げられてきたが、これからは森林や土地利用など、吸収源の議論がもっと取り上げられるべき。 |
各種資料 | 発表資料 1(英文)(PDF・1,197KB) 発表資料 2(英文)(PDF・255KB) 発表資料 3(英文)(PDF・1,067KB) |
イベント風景 | |
報告者 | 公益財団法人地球環境戦略研究機関 石川智子 |