COP24議長からのお手紙
COP24議長 Michal Kurtyka 氏
タラノアJAPANの開設に伴い、とかしき環境副大臣宛に、COP24議長であるMichal Kurtyka氏より、タラノアJAPAN開設のお祝いと激励のメッセージを、下記のようにいただきました。
カトヴィツェで開催されるCOP 24では、これまでの交渉に決着をつけパリ協定の一連の実施指針を採択することが課せられています。それに加えて、COP24に向けた重要な取組が「タラノア対話」です。COP 23の議長国フィジーのおかげで、各国はタラノアの精神を歓迎し、促進的対話として義務付けられたものをタラノアのルールに則って準備・実施する運びとなりました。それはつまり、皆が互いに寄り集まり、参加型の対話によって個々の物語を共有するということを意味します。タラノア対話の参加者の声はすべて同様に重要であり、我々は、地域社会、企業、市民社会、政府など様々な主体によって語られる行動や解決策の物語が、各国を激励することを願っています。
タラノア対話の物語には、「今どこにいるのか?」「どこに行きたいのか?」「どうやって行くのか?」という3つの基本的な質問に回答することが求められます。これらの質問に対するすべての答えには、価値があり、気候を守り、気候変動の影響に取り組むよう我々を促すでしょう。
すべての国、すべての地域には歴史があります。タラノアの精神に則った対話により、それらが持つ期待や希望、制約をより深く知ることができます。人々とその福利こそが責任ある気候変動政策の中心に据えられるべきことを念頭に置いたとき、我々は、世界が直面する気候変動問題を共に認識し、共通の未来に向け共に努力するため、状況に応じて異なりなおかつ適した答えを導き出すことができるのです。
世界の気候変動に関する政策は、他の政策とは異なり、今ある互いの差異や内部状況、能力に関わらず、協働と共通目標のために境界を乗り越える可能性を示しています。私としては、カトヴィツェでの我々の行動に、パリ協定の精神とタラノア対話のメッセージが確実に伴うよう、ポーランドが議長国としてあらゆる努力をすることを約束したいと思います。また、私はCOP24議長として、すべての締約国が満足し、2015年にパリで世界が確立した目標の施行を確実にするような、コンセンサス形成への努力を惜しみません。
私は、国際金融機関や公的機関、民間企業、自治体、市民団体のような、非政府主体を巻き込むことは不可欠であると考えています。様々な背景や規模の組織から異なる主体が参加することによって、それぞれの地理的・社会的状況、あるいは運営規模に応じて適用しうる解決策を共に考えることができます。それ故、タラノアの精神の下、日本が独自の活動に邁進していることを嬉しく思うとともに、「タラノアJAPAN」ポータルサイトの開設を心よりお祝いいたします。「タラノアJAPAN」ポータルサイトの取組みは、国際的なタラノアの議論への貢献を促進することでしょう。 今年5月、ボンにおいてタラノア対話が始まりました。私は、カトヴィツェで開催される閣僚級会合が、気候変動の挑戦と選択肢に関わる困難を共に乗り越えるための新たな考え方創出につながると確信しています。