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High-Level Week

10:00 - 11:30

テーマ

適応アクションに科学的データが果たす役割

イベント概要

各国・地域の気候変動に対する脆弱リスクを減らし強靱性を高めるため、適応能力を強化することは地球規模の目標である。これを達成するために、気候変動に関する科学的知見を構築していき情報発信することは、極めて重要な位置づけとなっていく。

適応における課題は、地方、国、準地域、地球全体―と各段階でそれぞれ対応する必要があり、地域に根ざし、かつ異なるセクターを内容する気候リスク情報によって導かれるものでなければならない。

そのための情報基盤を整備し、広く発信していくことはこれらを実践する鍵となる。その運営自体もより効果的で効率的なものとしていかなければならない。

日本環境省は、2016年8月に、関係府省庁が連携して全国・都道府県情報を提供するための「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」を構築した。これら科学的知見に基づいた情報は、地方自治体の適応計画と実践を促し、また民間事業主や国民による適応行動の導入にも貢献している。そして今、環境省はその機能をアジア太平洋地域全体へ広げ、2020年までに「アジア太平洋適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)」を構築する。

このような、科学的知見に基づいた気候変動リスク情報を、どう各国・地域での適応計画と実践につなげていけるか、どのように科学データを構築し、提供していくのか、これらの課題や機会について国と非国家主体の双方を招き、効果的なプロセスについて討議する。

プログラム

<開会挨拶>

  • 中川雅治 日本国環境大臣

<基調講演>

  • バンバン・ブロジョヌゴロ インドネシア政府国家開発計画庁長官

<パネルディスカッション>

パネリスト:

  • コラワット・サクハカラ タイ天然資源環境省気候変動管理協力課シニアオフィサー
  • シャンフ・ルー ADB持続的発展・気候変動局 気候変動シニア専門家
  • バーニー・ディクソン UNEP気候変動ユニット長(GAN事務局)
  • 肱岡靖明 国環研 社会環境システム研究センター長

モデレーター:

  • サリーム・ハク IIEDシニアフェロー
主催者
  • 環境省
最終プログラム

「適応アクションに科学的データが果たす役割」

  1. 日 時:11月15日(水)10:00~11:30
  2. 場 所:ジャパン・パビリオン

開会挨拶 中川大臣
来賓挨拶 バンバン・ブロジョヌゴロ長官(インドネシア国家開発計画庁)

パネルディスカッション

モデレータ:サリーム・ハク(ICCCD(国際気候変動発展センター)センター長/ IIED(国際環境発展機関)シニアフェロー/アジア太平洋地域適応ネットワーク(APAN)共同議長)

パネリスト:

  • コラワット・サクハカラ(気候変動管理協力課シニアオフィサー 天然資源環境省 天然資源環境政策計画局 タイ)
  • シャンフ・ルー(気候変動適応シニア専門家 ADB 持続的発展・気候変動局 )
  • サリーム・ハク(ICCCD(国際気候変動発展センター)センター長/ IIED(国際環境発展機関)シニアフェロー/アジア太平洋地域適応ネットワーク(APAN)共同議長)
  • バーニー・ディクソン(UNEP気候変動適応ユニット長 UNEP(GAN事務局))
  • 肱岡靖明(社会環境システム研究センター長 国立環境研究所)

閉会


セッションサマリー

サイドイベントの目的は、科学的な気候リスク情報が果たす気候変動への適応計画、実施を促進に向けての役割について、アジア太平洋適応情報プラットフォームを一例として議論する。

冒頭、中川環境大臣およびバンバン・ブロジョヌゴロ長官から、両国における国内外の取り組みについて紹介がなされ、インドネシアからは日本の協力について謝意が表された。続いて、パネルディスカッションの部において、肘岡氏(国立環境研究所)によるアジア太平洋適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)活動紹介の後、ハク氏がモデレーターとなり、パネルディスカッションが行われた。議論のポイントは以下の通り。

  • タイでは2015年から取り組みを開始し、現在適応計画を最終化中。本計画は、気候変動に関する国家基本計画(Master plan)の一部であり、また1,800件の適応策事例を集め、利点と課題を分析する機関を設立したいと考えており、AP-PLATを通じた知見の共有が重要。
  • ADBでは研究コミュニティと密接に連携しており、今後データ収集を行っていく。こうした情報はプロジェクトへの投資分析、妥当性評価のためのツールとして活用。AP-PLATへの提言としては3点、他の類似の活動に照らしたプロセスワイズ、インターフェースが利用者のニーズに即したコンテントワイズ、そしてタイムラインを意識すべき。
  • UNEPでは地域間のナレッジ・ギャップを解消するためのLima Adaptation Knowledge Initiative (LAKI)や、大学や都市での協力を促進するGlobal Adaptation Network (GAN)などがあり、さらにGlobal Center of Excellence of Adaptation (GCEA)を立ち上げる予定であり、これらの活動との連携が考えられる。また、UNFCCCの交渉においても必要性が挙げられている気候変動に関するリスクにどれだけ対応できているのかを評価するための指標(metrics)と方法論(methodology)との連携が必要。

キーメッセージ
  • 2020年まで手をこまねくのではなく、ローカルな知見の集約など、Learning by doing で、できるところから活動をスタートし、改善に努める必要がある。
  • AP-PLATと既存組織等の連携は、APANなどを通じて強めることができる。
  • 各国の国立研究機関の連携において、知見の長期的な共有体制、長期的なキャパシティビルディングの協力体制が必要。
  • 適応策で重要なのは知識の量ではない。これがそこに生きる人々に貢献しているか、が重要。

報告者所属・名前

環境省 安部壮司


写真

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