2021.11.3 WED
10:30 - 12:00
2021.11.3
太平洋地域での気候変動に対する強靭性強化:人材育成から気候投資へ
太平洋気候変動センター(PCCC)
共催者
海外環境協力センター(OECC)
セミナー概要
太平洋島嶼国にとって気候変動は最大の脅威である。IPCCの第6次評価報告書第I作業部会報告書は、気温の上昇をパリ協定の1.5度に抑えるために迅速な変化が必要であり、そのための時間はまだあることを示した。.同時に、もし世界がこの報告書の警鐘に耳を傾けなければ、最初に厳しい状況に直面するのは太平洋島嶼国であることも明らかになった。
太平洋島嶼国はパリ協定の実施にコミットしており、NDCの改定、NAPの策定と実施に取り組んでいる。様々な人材育成・技術・資金の支援プログラムを活用し、強靭で低炭素な開発の実現に向けて取り組みを強化している。
このサイドイベントでは、太平洋気候変動センターの人材育成プログラムの成果と、太平洋島嶼国がOECCやIGESによる支援プログラムも活用し人材育成から資金投資の増加へと取り組むなかで得られた教訓を紹介する。また、コロナ禍からの復興と並行して気候変動に対する強靭性も強化するため、新たなパートナーシップ、イノベティブなツールやアプローチについて議論する。
こちらから事前登録の上、ご参加いただけます
https://sprep.zoom.us/webinar/register/WN_kiBTDiu6QFyFn-b8MQbXBQ
登壇者
- ・ファトゥマナヴァ-オ-ウポルIII・パオレレイ・ルテル サモア独立国国際連合代表部 サモア独立国国際連合常駐代表
・加藤真 海外環境協力センター(OECC) 理事/主席研究員
▼オンライン参加者
・コシ・ラトゥ 太平洋地域環境計画事務局(SPREP) 事務局長
・オファ・マアシ・カイサミィ 太平洋気候変動センター(PCCC) センター長
・クリス・テヴァ ソロモン諸島環境・気候変動・災害管理・気象省 プロジェクト担当官
・ピーター・キング 地球環境戦略研究機関(IGES) シニア・ポリシー・アドバイザー
・小河原二郎 海外環境協力センター(OECC) 主任研究員
・小川眞佐子 JICA技術協力プロジェクト「気候変動に対する強靭性向上のための大洋州人材能力向上プロジェクト」 チーフアドバイザー
セッションサマリー
本セッションでは、太平洋島嶼国による生態系に基づく適応策や海洋を利用する自然エネルギーの導入を進める取組と、これらを支援する太平洋地域や日本の機関であるPCCC、OECC、IGESの取組について、成果や教訓を紹介した。また、コロナ禍からの復興と並行して気候変動に対する強靭性を強化するため、新たなパートナーシップ、イノベティブなツールやアプローチについて議論を行った。
開会挨拶では、ファトゥマナヴァ・パオレレイ・ルテル サモア独立国国連常駐代表が、気候変動により太平洋島嶼国は深刻な影響を受けていること、各国はパリ協定にコミットし、強靭なBlue Pacificを目指し地域で対応していることを強調した。コシ・ラトゥSPREP事務局長は、2019年の設立以降、PCCCは太平洋島嶼国への気候変動強化及び低炭素化に向けた取り組みを強化していることを紹介し、コロナ禍からの復興と気候変動対策を並行して進める必要があると述べた。
続いて、パネリストが登壇し、オファ・カイサミィ氏はサモア政府及びJICAとのパートナーシップのもとで実施されている「気候変動に対する強靭性向上のための大洋州人材能力向上プロジェクト」を通じた人材育成の成果やPCCCの今後の取組を説明した。PCCCによる生態系を活用する適応策に関する研修に参加したソロモン諸島のクリス・テヴァ氏は、研修でのプロジェクト形成ツール習得のためのグループ実習や、自身が携わるプロジェクトから得られた教訓を共有した。また、PCCCによる研修の後に継続してIGESのピーター・キング氏によるプロジェクト形成に向けたメンタリングサポートを活用したバヌアツの事例を踏まえ、キング氏から研修とメンタリングの効果の波及に向けた方策が述べられた。OECCの小河原氏は、ナウルにおける気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の資金を活用した海洋温度差発電等の導入に関するプレFSを紹介し、プロジェクト準備段階での情報収集、研修実施等におけるCTCN等の活用や、ナウルの事例の横展開の可能性について述べた。
パネルディスカッションでは、大洋州でのイノベティブな解決策の導入に向けて、地域的アプローチ、技術移転、人材育成、長期的な研究の必要性について議論が行われ、PCCCからはこれらの視点を考慮して新たなパートナーシップを形成していくことが確認された。
メッセージや成果
・太平洋島嶼国は、コロナ禍の困難にもかかわらず気候変動対策を強化しており、PCCCやOECCなど大洋州および日本の関係機関は様々なパートナーと協働して、人材育成から気候投資の強化につながる取り組みを実施・支援している。
・多様な支援機関・支援策がある一方で、そこへのアクセスには様々な課題がある。太平洋島嶼国の課題を考慮した上で、イノベティブなアプローチ、地域的アプローチの導入や長期的な視点に立った取り組みを強化する必要がある。
・PCCCは気候投資を促進するため、パートナーシップの更なる強化を進めていく。
2021.11.3 WEDタイムテーブル
13:00 - 14:30
2021.11.3
国際協力機構(JICA)、 一般社団海外環境協力センター(OECC)
15:00 - 16:30
2021.11.3
17:00 - 18:30
2021.11.3
国際エネルギー機関