2021.11.3 WED

17:00 - 18:30

2021.11.3

ネットゼロへの移行に向けた水素の役割

国際エネルギー機関

共催者

経済産業省

セミナー概要

IEAの「Net-Zero Emissions by 2050 Roadmap」に示されているように、ネット・ゼロのエネルギーシステムへの移行において、水素は重要な役割を果たす必要があります。水素の需要は2050年までに現在の6倍に増加し、水素の利用先としては長距離輸送、海運、航空に限らず重工業や発電所などの新規分野にも拡大していくと考えられます。
ここ数年、水素への関心は高まっていますが、過去とは異なり今回は実際の活動につながりつつあり、その進捗はこれまでにないペースで進んでいます。IEAは、水素技術導入の進捗状況を追跡する目的で、新しい「グローバル水素レビュー」を発表しました。この報告書は、クリーンエネルギーに関する閣僚会合の水素イニシアティブの成果であり、エネルギー分野のステークホルダーに水素の現状と将来の見通しを伝え、水素閣僚会議での議論を活性化させるために発行いたしました。
本イベントでは、近年水素導入をリードしている各国政府、IEA、“水素協議会”、“国際水素・燃料電池パートナーシップ”の代表者が集まり、ネット・ゼロ・エミッションへの移行における水素の役割について議論します。本イベントでは、今回発行したグローバル水素レビューの主要な知見を紹介するプレゼンテーションを行います。このイベントは、ネットゼロエミッションとクリーンエネルギー移行に求められる水素技術に関して、多種多様な視点から議論を行い、最適なオプションを探求する機会を提供します。

登壇者

  • ・Fatih Birol 国際エネルギー機関 事務局長
    ・Juan Carlos Jobet チリエネルギー鉱業省 エネルギー鉱業大臣
    ・Jonathan Wilkinson カナダ天然資源省 天然資源大臣
    ・Daryl Wilson 水素協議会 事務局長
    ・Dan Dorner クリーンエネルギーに関する閣僚会合 事務局長
    ・木原 晋一 経済産業省 産業技術審議官(環境問題担当)
    ・Jose M. Bermudez 国際エネルギー機関 エネルギー技術分析官

    ▼オンライン参加者
    ・Noe Van Hulst 国際水素・燃料電池パートナーシップ 議長
    ・Sunita Satyapal 米国エネルギー省 エネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)燃料電池技術室長

セッションサマリー

国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、チリのジョベット・エネルギー鉱業大臣、カナダのウィルキンソン天然資源大臣とともに基調講演を行いました。事務局長からの基調講演においては、クリーンエネルギーへの移行における水素の重要性を強調し、各国政府に対し、明確な規制や基準を設けることで、投資を促進し、水素を社会実装するための条件を整えるよう促しました。チリとカナダの両大臣からは、「削減が困難な」セクターの脱炭素化における低炭素水素の役割に言及し、円滑なエネルギー移行のための水素の役割について説明がありました。さらにIEAからは、「グローバル水素レビュー」のキーポイントが説明され、水素の社会実装が大幅に加速していますが、2050年までにエネルギーシステムの正味ゼロエミッションを達成するためにはまだ十分ではないことを強調されました。
このイベントでは、ほかに米国エネルギー省、国際水素・燃料電池パートナーシップ、水素協議会、経済産業省によるパネルディスカッションが行われ、低炭素水素をエネルギーとして採用することを加速するための機会と課題について議論されました。