イベントスケジュール

イベントスケジュール - COP25 JAPAN PAVILION

2019.12.10

17:30 - 19:00 2019.12.10
緩和と適応
イノベーションによる環境と経済の好循環

脱炭素化とSDGsのローカライゼーション:地域循環共生圏の実現を目指す自治体の挑戦

主催者

  • 一般社団法人 イクレイ日本
  • 環境省地球環境局国際連携課

イベント概要

COP24でパリ協定のルールブックが採択されたのを受けて、2019年は「行動・実行」に向けた取組みを強化することに注目が集まっている。また、IPCCの1.5℃特別報告書の発表を受けて、世界は温暖化を1.5℃以下に抑えるための行動計画の策定作業が進んでいる。

このような中、日本国政府は長期成長戦略で二酸化炭素の排出をゼロにしていくことを示し、特に地域・くらしにおける排出削減の対策と施策に関しては、2050年までにカーボン・ニュートラルでレジリエントで快適な地域とくらしを実現し地域循環共生圏を創造するとしている。

これには、社会・経済的な変革が重要であり、世界的にもその必要性が共有されている中で、行動や実行に深くかかわる非政府主体、特に自治体、民間企業、金融業界などの役割や取組みに注目が集まる傾向は続いている。また、社会・経済的な変革には、包括的で総合的なアプローチが不可欠であり、9月23日に国連本部で加盟国首脳を集め温暖化対策を議論する「気候サミット」は、SDGsサミットと同時開催され、生物多様性の損失や循環経済などを含めた総合的なアプローチが主流になりつつある。

本サイドイベントは、このような国際情勢の中で、脱炭素化とSDGのローカライゼーションを通じて、環境・社会・経済の統合的向上に取組む自治体による最新の活動状況や課題を取り上げ、広くその経験を共有し、国連の議論に貢献することを目的とする。本サイドイベントはCOP24で開催した「脱炭素化時代の都市と地域:SDGsのローカライゼーションと都市と地域における環境・社会・経済のあり方-地域循環共生圏」の内容を引き継ぐもの。

登壇者

  • エマーニ・クマール イクレイ世界事務局 副事務局⾧
  • 小泉 進次郎 日本国環境 大臣
  • アショク・シドラハン ボン市 市長(イクレイ会長)
  • ミナ・アーベ トゥルク市⾧ 市長(EU 議長国)
  • アグネス・シェーンフォルダー マンハイム市 気候変動戦略室⾧
  • 下間 健之 京都市 環境政策局 地球環境・エネルギー担当局⾧
  • 薬師寺 えり子 横浜市 温暖化対策統括本部 本部⾧
  • ワン・ドン 深セン気候変動リサーチセンター ディレクター
  • 山添 俊之 富山市 未来戦略室 未来戦略企画監
  • 室賀 荘一郎 ⾧野県 環境部環境エネルギー課 企画幹

セッションサマリー

イクレイ事務副局長の進行により、国や地方自治体の政策決定者が集まり、地域循環共生圏の実現に向けた取組としてのSDGsのローカライゼーションの取組み(脱炭素で資源効率や生態学的バランスがとれた政策)を進めている自治体の経験の共有と、取組みにおける政策の重点分野などに関する議論を行った。

セッションの冒頭に、小泉大臣から日本の自治体による、2050年までにゼロカーボンを目指す取組みが加速している点が紹介され、また先進的な自治体として、ドイツのボン市の市長とフィンランドのトゥルク市の市長がそれぞれ取組みを紹介した。また、その後はパネル討論として、日本の自治体(京都、横浜市、富山市、長野県)に加え、中国の深セン市や、ドイツのマンハイム市の取組みを共有し議論を行った。

昨年に続き、地域循環共生圏のアプローチをとることにより、都市や地方は自然資源によって再び結びつき、物質やエネルギーの自立を進められる点が強調された。さらに、日本のみならず海外都市の観点からも若者や市民の政策策定への参画の重要性や、多様なアクターとの共創の必要性が強調された。また、イクレイによるグリーン循環都市連合(GCCC)のような自治体ネットワークを通じた、都市間連携の強化に対する期待も共有された。

メッセージや成果

イクレイはグリーン循環都市連合(GCCC)を発足し、循環型都市に関する都市間連携を促進している。 同連合は、マルチレベルの協力と国際連携を通じて、循環型都市、そして地域循環共生圏のビジョンの実現に貢献するものであり、脱炭素化を目指し資源効率や生態学的バランスがとれた社会の実現に向けた具体的なアクションを求められる自治体にとって有益な取組である点再認識できた。また、各自治体はそれぞれの状況を踏まえ政策の展開を図っているが、市民やユースを巻き込むことに対する重要性は相対的に上昇している点が共有された。

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