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  • 技術革新
  • ビジネス変革
  • 国際協力の今と未来

気候変動ファイナンスを活用した案件組成に向けた政府機関ならびに民間企業のアプローチ

主催者

  • 環境省
  • デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社

イベント概要

本イベントではセミナー及びパネルディスカッションを実施した。

① セミナー:GCFの重要課題は大規模な社会転換、パラダイムシフトを生み出す案件組成であり、それを実現するには途上国自身が社会システムの変革に取り組んでいく必要がある。また、パラダイムシフトを生み出す土壌とした、当該国の制度や規制を含めた環境整備は重要であり、これらの認識を整理しつつ、「DAEの能力強化」が非常に重要な要素である。右の認識の下で、GCFの資金をテコにしつつも、民間のアイデアも取り入れた新たなビジネスモデルの構築や横展開などもパラダイムシフトといえるのではないか、という認識を共有した上で、「民間の関与や民間資金の呼び込み」等の重要性について議論すべく、これまでのパラダイムシフトに関する議論を基盤とし、さらなる社会転換/パラダイムシフトを生み出すための課題の抽出と解決に向けた取り組みを協議した。

② パネルディスカッション:AE (DAE、国際AE等)、NDA、民間企業のGCFのステークホルダーとともに、DAEが国のニーズを踏まえつつ、如何にして民間企業のアイデアや柔軟に取り組みcountry ownershipを高めながら、BankableなGCF案件を効率的に形成するか、そのためには、どのように民間企業、コファイナンサー、国、その他のAEとのパートナーシップやGCFと関係をつくっていくことが重要か、という点を協議した。

登壇者

  • 加藤 真 一般社団法人海外環境協力センター 理事/業務部長/主席研究員
  • 松田 英美子 一般社団法人海外環境協力センター 業務部 主任研究員
  • Leo, Park Green Climate Fund (GCF)
  • VK, Duggal Asian Development Bank (ADB)
  • Tagaloa, Cooper-Halo The Secretariat of the Pacific Regional Environmental Programme (SPREP)
  • Lyan, Villacorta Asian Institute of Technology (AIT)
  • 谷口 光太郎 独立行政法人 国際協力機構 地球環境部 気候変動対策室 副室長
  • Amjad, Abdulla Ministry of Environment and Energy Maldives
  • 矢崎 慎介 兼松株式会社 鉄鋼・素材・プラント統括室
  • アルナウドフブラディスラフ デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 ヴァイスプレジデント
  • 原田 幸憲 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 ヴァイスプレジデント

セッションサマリー

セミナーでは、まずOECC松田氏より、「パラダイムシフト」の要素として、国際的なGHG削減と包括的な成長を目指す取り組みであり、規模の拡大が可能であり、他案件への示唆を示し、現地でのキャパシティビルディングや規制の枠組みや政策へ貢献するものが挙げられるとの説明が行われた。続いて、GCF事務局のPark氏より、GCF案件組成の際に実施予定のプロジェクトが実施対象国のニーズに合致し、現地の案件関係機関が十分なオーナーシップを発揮することが必要となることからDAEの役割が重要であり、GCF案件の持続性、オーナーシップという観点からも民間セクターとの連携が重要であると考えていること。また、インドネシアでCO2削減に取り組む兼松株式会社の矢崎氏からは、自社の経験をもとに現地事業での成功には現地関係機関とのパートナーシップ構築が重要であることが説明された。最後にSPREPのCooper-Halo氏からはこれまで太平洋地域でGCF案件を2件実施したが、いずれも民間企業の関与は限定的であることが説明され、GCF案件において民間企業の関与を拡大させるにはどこまでDAEが民間企業と政府のミッシングリンクをつなぐ役割を果たすかという点が重要な課題であるとの指摘が行われた。
パネルディスカッションでは、主にDAEがGCF案件を組成するために具体的にどういった行動や支援が必要とされているかが議論された。AE側としては主にキャパシティビルディングの必要性が挙げられ、民間企業側としてはファイナンスの確保が困難であることが指摘された。GCF事務局のPark氏からはインドでのNABARDとTata Cleantech Capital Limitedの事例をもとに民間企業が関与したスキームと成功要素を説明し、今後そのような民間セクターが関与している案件も積極的に活用していきたい旨の説明が行われた。

その他残したいメッセージやイベントにおける成果

GCFの重要課題は大規模な社会転換、パラダイムシフトを生み出す案件の組成である。この観点において、当該国の制度や規制を含めた環境整備とともに、DAEの能力強化及びDAEと民間企業との連携を強化していくことが重要な課題となっている。本セミナーは、今後さらなるパラダイムシフトを生み出すGCF案件の組成に向けて、民間の関与や民間資金の呼び込み等の重要性に関する視座を提供するものとなった。


2018.12.04のタイムテーブル

  • 国際協力の今と未来
  • 適応

適応に関する3つのグローバル枠組(パリ協定、SDGs、仙台防災枠組)の協調的努力に向けた検討

一般社団法人海外環境協力センター(OECC)

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  • ビジネス変革
  • 国際協力の今と未来

気候変動ファイナンスを活用した案件組成に向けた政府機関ならびに民間企業のアプローチ

環境省/デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社