11月10日(木) 10:30-12:00

JCM

10:30-12:00

タイトル インドネシアにおけるMRV制度構築:二国間クレジット制度や森林分野等の協力からの教訓
概要 本イベントでは、世界で最初にJCMクレジットを発行したインドネシアにおける、JCMのMRV制度の開発状況および意義や成果を紹介する。国内の緩和行動にかかるMRV制度の構築状況も踏まえた上で、JCMのMRV制度を構築する際に、インドネシアで特定された政策的課題や技術的課題や得られた教訓などを共有する(国家レジストリ制度・MRV制度、JCMレジストリ制度、両レジストリ制度のリンケージ、JCMの方法論開発にかかる論点など)。国際機関や他国からの討論者とも議論を行いつつ、他国とも共通するMRV制度構築にかかる論点・教訓を提示し、各国でのMRV制度構築の促進を目指す。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
本イベントは、インドネシアにおける多様なスキームおよび異なるレベルでのMRVの取り組みの進展について、その現状を紹介するとともに、これまでに得られている教訓を共有することを目的として、JICAおよびインドネシア経済担当調整大臣府により開催された。
まず、JICAから、気候変動対策分野における協力の優先課題やインドネシアでの協力概要およびインドネシアのMRV制度の概要について説明し、①プロジェクトレベル(主にエネルギーセクター)での取り組みが進んでいるJCMでのMRV制度構築および実施状況、および②地方・州レベルの土地セクターの取り組みであるREDD+での参照排出レベル(REL)構築の取り組みが紹介された。
①インドネシアではJCMのMRV制度の構築が進み、参照排出レベルを用いた排出削減計算方法論が10件承認済みであり、持続可能性指標を用いたモニタリング制度が導入されている。制度の運用も開始され、登録済みJCMプロジェクト6件のうち、検証手続きを経て2件のプロジェクトからクレジットが発行済みである(Dicky氏)。②JICAが支援を行うインドネシア・西カリマンタン州における参照排出レベル構築にあたり、さまざまな関係者を含んだ実施体制をとっている。排出係数算定には186プロットからのデータ(州の環境局・GIZ・FFIのデータ)を用い、また、森林区分など州の取り組みは国レベルの参照排出レベルの方法論に準じている(久保氏)。
ディスカッションセッションでは、ディスカッサントからは、ISO(国際標準化機構)の取り組みやインドネシアの地方レベルのMRVの関連する活動や得られた教訓が示された。インドネシアの提案に日本が協力する形でMRV方法論に係るISO14080の国際標準の準備が進んでいる(牧野氏)。また、インドネシア・バンドン市などの経験からは、地方・都市レベルでのMRVの実施に向けて、限定的なデータ整備・入手が課題であり地方政府担当者のMRVへの理解向上・意識啓発が必要である(Eric氏)。多様なレベルのMRV制度の構築が進んでいる中、統合的なMRV制度(特に国内の関連する取り組みを包括的かつ統合的に取りまとめる国レベルのMRV制度)を今後構築し運用していくことの重要性が参加者で共有された。
キーメッセージ 多様なスキーム・レベルでの緩和に係る取り組みが進展するインドネシアにおいては、今後、統合的かつ整合的なMRV制度の構築が重要である。たとえば、地方の取り組み(例 州や市)やセクターの取り組み(例 REDD+)、プロジェクトレベルの取り組み(例 JCM)などを整合的に取りまとめ確認できる登録簿の構築などが重要である。

MRVの取り組みを進めるにあたり、データの不足は課題である。現場の関連取り組みを更に進展させるためにも地方レベルを含めた幅広い意識啓発やデータ整備をはじめとしたキャパシティビルディングが重要である。また、これらの取り組み・国際協力をを進めるにあたり、関係者間の信頼関係の構築が成功の鍵となる。

また、MRVを通じたPDCAを進め、MRV制度の見直しや緩和行動計画・実施面での改善を進めることも重要である。
各種資料 イベントフライヤー(英文)(PDF・84KB)
発表資料 1(英文)(PDF・514KB)
発表資料 3(英文)(PDF・1,075KB)
発表資料 4(英文)(PDF・2,760KB)
発表資料 5(英文)(PDF・367KB)
発表資料 6(英文)(PDF・60KB)
イベント風景
  • 11月10日(木)10:30-12:00のイベント
  • 11月10日(木)10:30-12:00のイベント
  • 11月10日(木)10:30-12:00のイベント
報告者 国際協力機構(JICA)長期専門家/チーフアドバイザー 市原純