11/ 10
THU
15:00-18:30
タイトル | 農業分野における気候変動研究イニシアティブの協調に関するG7新潟農業大臣会合フォローアップ会合 |
---|---|
概要 | 農業分野における温室効果ガスの排出削減緩和策や気候変動に対するレジリエンス向上を目的とした国際的イニシアティブには、グローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)、気候変動対応型農業に関するグローバル・アライアンス(GACSA)、4/1000イニシアティブ、グローバル・ソイル・パートナーシップ(GSP)など複数のイニシアティブが存在し、これらが並存している状況である。本イベントは、上記4つのイニシアティブによるプレゼンテーション、G7各国や国際機関による意見交換を通じて参加者間で情報を共有することで、それぞれの取組を一層推進する「触媒的役割」を担うものである。 |
主催/共催 | 農林水産省 |
プログラム |
|
セッション サマリー |
GRA, GACSA, 4/1000 Initiative, GSP4つのイニシアチブは、各イニシアチブについて理解を深めるため、それぞれの最新の研究活動について以下のプレゼンテーションを行った。 ・GRAは、研究及び研究実施のための活動への協力や、資金投資を増大させるための自主的活動の枠組みを提供している。GRAは46のメンバー国と14のパートナー機関で構成され、4つの研究グループと関連するネットワークを通して活動を行っており、管理方法や技術の理解の向上を通じて、農業システムの効率性や生産性を改善することによって、農業分野における温室効果ガス排出を削減し、炭素貯留を増加させる機会とする。 ・GACSAは気候変動対応型農業(CSA)に関する包括的、自発的かつ行動志向的な様々な利害関係者からなる組織であり、主な活動は「知識」「投資」「環境整備」の3つの作業グループを通じて進められている。GACSAはまた、研究機関・協会などを含む多種多様な利害関係団体から成るメンバーの活動を支援し、推進している。それ故にGACSAの研究は、メンバーの様々な研究プログラムに盛り込まれており、CSAに関連する研究成果は、知識活動グループを通じて具体化される。 ・4/1000イニシアチブ(2016/11/10付でメンバー数は174)の目的は、土壌の肥沃性の改良によって食の安全および気候変動への対応への解決策を提供することである。確実な科学の専門知識や強固な国際協力プログラムを築くことで、様々な利害関係者からなるこの4/1000イニシアチブが、持続可能な土壌への有機物や炭素貯留量を改善するプロジェクトや取組みを醸成することを目指している。グローバルな気候行動アジェンダ(GCAA)の下で、この自主的なイニシアチブである4/1000イニシアチブは、活動計画や国際的な研究プログラムの両方を発展させ、人材育成や経験と学習の場となる国際交流を促進していく。 ・GSP(FAOのメンバー国と400以上の非国家のパートナーで構成される)の研究は、可能な限りすべての研究開発(知識のギャップを埋め、問題を解決するための技術を創出あるいは改善し、人材開発を支援する)の特徴を踏まえ、2030アジェンダへの貢献として、食料安全保障や栄養のための持続的な土壌管理や気候変動の適応と緩和、及び生態系サービスの提供を促進するため、GSPにおいて合意された目標に向けて、研究開発戦略を発展させ、資金を投入して補完的な活動を実行するために、全ての潜在的な行為者を関与させることを目的としている。GSPの下での研究活動は、特定した研究のギャップ、優先事項及び相乗効果が、関連する生産、環境、社会開発活動とみなされるものに焦点を当て、ターゲットを絞った土壌の研究開発を推進することである。 イニシアチブ、G7及び国際機関の間の協調的活動について ・食料安全保障及び気候変動の緩和・適応における実質的な効果を生み出すために、イニシアチブは既存の研究の相乗効果を強調しつつ、他のイニシアチブや他の機関との新しい相乗効果を求めることで、パリ合意同様に「持続的な開発のための2030アジェンダ」の目標の達成やアジェンダに貢献するための知識を増加させることが出来るであろう。これを達成するためには、これらイニシアチブは、研究インフラ同様に、専門知識や革新的技術を共有することにより利益を享受するであろう。 ・イニシアチブ間でメンバーシップが共通していることは、様々なメンバーやネットワークによって行われている研究を通じて、全てのイニシアチブに相互の利益を生み出すものである。特にイニシアチブ間の情報交換は、様々な構成要素に及ぼすイニシアチブの影響力に大きく貢献する。事実、大半のGACSAのメンバーと主たる研究者はGRAにも加入している。知識活動グループの研究を通じて、GACSAは、GRAの関心事項である、研究の優先順位の特定に貢献する。一方、GRAの研究成果は、GACSAの知識活動グループの活動の基礎知識となりうる。加えて、4/1000イニシアチブは、GRAの統合的研究グループ、特に土壌炭素貯留ネットワークや草原ネットワークの活動、そしてGSPに含まれる土壌に関するその他の研究活動により支援されることが見込まれる。 ・GSPはFAOが主催しているので、GSPの下で行われる全ての研究活動は、適切な資金メカニズムを通し、推進/調整役であるFAO/GSP事務局と他のイニシアチブや機関との連携を介して行われる。GSPの下での研究の実施は、地域土壌パートナーシップを通して行われ、FAOベースのパートナーシップとして、国レベルで強く支援されている。したがって、GSPは、様々な関連する国、地域、グローバルな組織と連携した研究活動の国レベルの実施に強く依存している。 ・学際的協力を奨励し、研究の質や応用力を改善するための探索は、将来の研究開発プログラムのための新しい道を提供し、資金調達機関の注意を引くことにつながる。これを達成するために、各イニシアチブは、共通の目標やその目標を達成するための効果的な協力がどのようになされるかを特定し、研究活動における相乗効果を促進するために、他の組織や国との率先した契約を必要としている。 |
キーメッセージ | 当シンポジウム参加者はG7各国・国際機関・4イニシアチブそれぞれの取組状況の共有、参加者同士の意見交換等を通じ、イニシアチブ間で成果の報告や意見交換を継続することの重要性を認識し、今後も協調的な取組を進めていくことを表明しました。 |
各種資料 | イベントフライヤー(英文)(PDF・104KB) 発表資料 1(英文)(PDF・1,204KB) 発表資料 2(英文)(PDF・139KB) 発表資料 3(英文)(PDF・541KB) 発表資料 4(英文)(PDF・1,484KB) 発表資料 5(英文)(PDF・1,056KB) 発表資料 6(英文)(PDF・31KB) 議長サマリー(PDF・105KB) |
イベント風景 | |
報告者 | 農林水産省 農林水産技術会議事務局国際研究官室 金森紀仁 農林水産省 大臣官房政策課環境政策室 杉田敬一 |