11月9日(水) 11:00-12:15

Capacity Building

11:00-12:15

タイトル 途上国における気候変動キャパシティ・ビルディングの効果拡大・効率性向上に向けて ~INDC、NAPs、透明性にかかる協力からの教訓~
概要 本イベントでは、パリ協定のコンポーネントである途上国におけるキャパシティ・ビルディングについて取り上げ、今後行われていく協力の中でどのように効果拡大や効率性の向上を図るべきかについて議論を行う。特にINDCやNAP、透明性の分野のキャパビルについては、UNFCCCの決定を受けて多国間・二国間ドナーによる様々な活動を実施され、新たな協力モデルの開発や手法などが用いられている。本イベントではそれらについての事例を取り上げながら、パネルディスカッションを行う。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
セミナーの冒頭において、3つのプレゼンテーションが行われた。
・(一社)海外環境協力センター(OECC)松田より、サイドイベント実施の背景、目的などが示され、また昨今の国際協力の有り方として、カスタムメイド型支援、三角/南々協力、都市間連携、多国間ネットワークなどの代表例が示された。
・(一財)地球環境戦略機関(IGES)の西岡氏より2016年10月インドネシアで行われた「パリ協定実施の為のキャパビルセミナー」の報告が行われた。発表では2度(もしくは1.5度)目標達成のために約束草案(NDC)の実施が重要であること、またより多くの利害関係者との連携並びに緩和・適応両方のキャパビルが重要であることが示された。またセミナーでの議論より、共同での計画立案、NDCの強化とPDCAサイクルの実施、キャパビルの範囲と分野の拡張、国家、都市政策に基づいたキャパビル、各国のオーナーシップによる知識の導入の重要性について、報告された。
・GHGマネジメント研究所のWhite氏より、GHGインベントリに着眼したアジア諸国における能力向上評価に係る発表があった。評価方法として、第一、第二国別報告書、隔年更新報告書、OECDリオマーカーやUNFCCCで運営するキャパビルポータル等を利用し、4つのカテゴリーと14の項目において独自に評価を実施した。その結果、第一、第二国別報告書においてGHGインベントリに係る能力の向上を比較した際、37カ国のうち約半数の国の能力は依然低いままであることが示された。高い能力のある国は資金支援を受けやすい傾向に有り、適切なリソースの分配が必要であることが示された。

パネルディスカッションにおいて、3つの質問が提示され、支援をする側、受ける側それぞれのパネリストにおいて、活発な意見交換が行われた。特には昨年のCOP21で決定されたキャパビルにおけるパリ委員会(Capacity-building on Paris Committee)への高い期待と、各国のオーナーシップにおけるキャパビルの重要性が示された。また気候変動に脆弱な国への配慮、民間やコミュニティーへの働きかけ、UNFCCCの下でのNDC実施に向けたキャパビルの必要性がパネリストより示された。
キーメッセージ Japan Pavilion会場内は満席となり、特には途上国側による関心高さが伺えた。

パリ協定発効に基づき、今後NDCの実施に向けて各国の取組みが検討され、報告の強化などの取組などが検討されている。キャパビルは各国において重要な課題であることが裏付けられた。

PCCBへの期待とともに、民間やコミュニティーへの働きかけ、各国のオーナーシップによるキャパビルの重要性が示された。

今回示されたコメントを基に、途上国が求めるキャパビルの有り方、効果的な支援方法などを更に追求していきたい。
各種資料 発表資料 1(英文)(PDF・191KB)
発表資料 2(英文)(PDF・322KB)
発表資料 3(英文)(PDF・174KB)
発表資料 4(英文)(PDF・1,209KB)
イベント風景
  • 11月9日(水)11:00-12:15のイベント
  • 11月9日(水)11:00-12:15のイベント
報告者 一般社団法人 海外環境協力センター 松田 英美子