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14:30-16:00

REDD+の実現に向けた日本の官民連携の取組

独立行政法人 国際協力機構(JICA)、国立研究開発法人 森林総合研究所、森から世界を変えるREDD+プラットフォーム

イベント概要

REDD+の実現に向け、「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」の枠組のもと、途上国におけるREDD+関連のプロジェクト実施や方法論の開発など、官民挙げての取組が進められている。以下のトピックの紹介とともに、その現状と将来の展望を議論する。

  • 2020年以降の次期約束期間を見据えた日本の取組
  • 官民連携による森林保全の取組
  • 日本の取組への途上国政府からの期待

プログラム

  1. REDD+の実現に向けた公的セクターの取組
    宍戸 健一 JICA 地球環境部 審議役兼次長(森林・自然環境グループ担当)
  2. REDD+の実現に向けた民間セクターの取組
    矢崎 慎介 兼松株式会社 エネルギー部
  3. 開発途上国によるREDD+の実現に向けた、途上国における課題と期待
    Dr. Inthavy Akkharath ラオス国 天然資源・環境省 森林資源管理局 次長
    宍戸 健一 (ケニア国代表に代わり発表)
  4. パネルセッション
    [パネリスト]
    宍戸 健一
    矢崎 慎介
    Dr. Inthavy Akkharath
    Mr. Omedi Moses Jura ケニア国 天然資源・水・環境省 国家気候変動事務局 技官
    [司会]
    岡田 裕貴 JICA 地球環境部 森林・自然環境グループ 調査役

セッションサマリー

昨年11月に設立した「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」の枠組のもと、途上国におけるREDD+関連のプロジェクト実施や方法論の開発など、官民挙げての取組が進められている。本セッションでは、2020年以降の次期約束期間を見据えた日本の取組や、官民連携による森林保全の取組、途上国政府からの日本の取組への期待とともに、REDD+の取組の現状と将来の展望を議論した。

本セッションでは、JICA宍戸審議役兼次長より、REDD+の実現に向けたJICAの取組やベトナムにおける協力事例等について紹介した。兼松(株)矢崎氏からは、インドネシア国ゴロンタロ州におけるカカオ栽培促進によるJCM-REDD+プロジェクトについて発表があった。また、ラオス国天然資源・環境省のInthavy次長からは、同国におけるJICAによる技術協力の紹介とJCM-REDD+への期待が表明された。ケニア国天然資源・水・環境省のOmedi技官は事情により遅刻したため、JICA宍戸次長より同国におけるREDD+分野の方向性につき代理で紹介した。

パネルディスカッションにおいては、REDD+事業に民間セクターが参加する意義を中心に議論が行われた。ラオスやケニアからは、資金需要のギャップを埋めるためにも、民間企業の参画を強く期待している旨コメントがあった。一方で、兼松からは、1) 民間企業としては、ビジネスが成り立たなければ、CSRだけでREDD+を実施することは難しい、2) カカオのバリューチェーンというビジネスモデルが成立した故に社内の理解が得られた旨コメントがあった。これらの意見に対し、JICAからは、 1) REDD+によるビジネスモデルは、地域の雇用も創出し、国際社会からの経済的なインセンティブ以上に価値を生むもの、2) そうしたモデルを産官学で目指すのが REDD+プラットフォームであると強調された。

質疑応答においては、カンボジアより、民間企業の参画に関連して、1) 2020年以降の見込み、2) REDD+に参加する際のリスク、3) 森林保全と生計向上活動のリンケージ、4) クレジットの配分と発生時期について質問があった。これに対し、JICAからは、1) 日本政府はINDCの中でも、2020年以降もJCMを通じた国際貢献をコミットしている旨、2)REDD+は中長期的に取り組む課題であり、民間企業としては投資を回収するには一定以上の期間が必要であり、是非カンボジア政府も続けてほしい旨コメントした。

また、兼松からは、1) 事業を継続していくためには現地関係者の理解が必要であり、JICAなどODAとの連携も重要であること、2) インドネシアの事業は、住民に対して森林保全を強要していないが、農民に儲かるビジネスモデルを提供することで森林保全を誘導することで成果を期待していること、3) クレジットに関しては、インドネシア政府の規程に基づき、同国政府と共同事業者で分配予定であるが、時期は交渉中である旨説明があった。

最後に、司会により、議論の結果を確認し(キーメッセージ参照)、終了した。

キーメッセージ

  1. 民間企業の参画は膨大な資金ギャップを埋める上でも有効。
  2. 民間企業の参画は、CSV(ビジネスを通じた社会的な価値の創造)のモデル構築の観点から重要。
  3. 公的セクターの役割として、政府の補助制度やJICA技術協力によるサポートの拡大も重要。
  4. そのため、産官学の連携は不可欠であり、日本のREDD+プラットフォームによる取り組みの重要性を確認。

イベント風景

報告者

JICA 地球環境部 森林・自然環境グループ 岡田 裕貴