JICA-JAXA「熱帯林監視システム~森林ガバナンス改善イニシアティブ」
独立行政法人 国際協力機構(JICA)、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
イベント概要
ALOS-2を活用した、熱帯林の減少に係る早期警戒システムの効率的かつ新たな枠組について発表を行う。併せて、当該枠組の幅広い適用に関する途上国からの期待を共有するとともに、森林保全の推進に向けた方策について議論する。
プログラム
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- 冒頭挨拶
- 鬼木 誠, 日本国政府 環境大臣政務官
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- 「熱帯林変化検出システム」のコンセプト
- 宍戸 健一, JICA 地球環境部 審議役兼次長(森林・自然環境グループ担当)
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- 「熱帯林変化検出システム」の技術的特徴
- 島田 正信, JAXA 地球観測研究センター 客員主任研究員/東京電機大学 教授
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- 熱帯林諸国における課題とシステムへの期待
- Challenges and Expectations for tropical forest countries - 後藤 健, 国際熱帯木材機関(ITTO)事務局次長
Mr. Gewa Gamoga, パプアニューギニア国森林公社 REDD・気候変動課 課長
- 熱帯林諸国における課題とシステムへの期待
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- 質疑応答
セッションサマリー
独立行政法人国際協力機構(JICA)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)はJAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を用いて熱帯林の伐採・減少の状況をモニタリングする「熱帯林変化検出システム」の新たな構築を中心とした、世界の熱帯林保全に貢献する「森林ガバナンス改善イニシアティブ」を発表した。JICAとJAXAは、その検出結果を解像度50mで、来年度から平均約1.5ヶ月毎にJAXA等のウェブ上で公開する。これにより、森林減少が深刻な国々の違法伐採等が抑止され、長期的には森林減少を抑制することによる気候変動の有効な対策として期待される。
本セッションでは、JICA宍戸審議役兼次長より、「熱帯林変化検出システム~森林ガバナンス改善イニシアティブ」の概要について説明するともに、ブラジルにおけるこれまでの協力事例について紹介した。JAXA 島田客員主任研究員より、陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」に搭載されているLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)の技術的特徴の紹介及び同システムの技術的側面についての説明があった。
また、ITTO事務局 後藤次長からは、熱帯林を取り巻く現状や持続的森林管理に係る調査結果とともに、熱帯林の有する課題につき発表があった。最後にパプアニューギニア国森林公社 Gewa課長からは、同国の森林の現状の紹介及びALOS-2を活用した準リアルタイムでの森林モニタリングに対する期待が表明された。
質疑応答は時間の制約もあり、ITTOの取組に対する質問が1点あったのみであったが、イベント終了後もカンボジア等から、同システムを是非活用したいとのコメントがあった。
キーメッセージ
「だいち2号」の観測データを用いた違法伐採監視については、アマゾンのあるブラジルなど熱帯林を有する各国から高い関心が寄せられており、このような関心を踏まえ、JICAとJAXAが共同で「森林変化検出システム」を構築し、世界に公開する。JICAとJAXAは衛星技術を活用し、世界の熱帯林保全に貢献していく。
イベント風景
報告者
JICA 地球環境部 森林・自然環境グループ 岡田 裕貴