TOPICS 日本国政府の取組

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日本の気候変動対策の長期目標である「2050年カーボンニュートラル」の実現と世界の脱炭素化を支える、脱炭素技術や取組をご紹介します。

脱炭素社会取り組み地域

北海道ブロック

北海道 石狩市

再エネの地産地活・脱炭素で地域をリデザイン

取組の全体像

札幌圏の産業拠点である石狩湾新港エリアにおいて、太陽光発電設備の導入と地域内の木質バイオマス発電設備を活用した特定送配電事業により地域に集積が見込まれるデータセンター群及び周辺施設に再エネ電力を供給する。電力消費の大きい複数のデータセンターの電力を全て再エネ供給し、地域の脱炭素化を図りながら、再エネポテンシャルを地域の優位性として、更なる産業集積を目指す。
その他石狩市中心核の公共施設群にマイクログリッドの構築等を行いCO2排出実質ゼロと防災機能の実現に向け取り組む。

取組により期待される主な効果
  1. 地域再エネの最大限の活用による再エネの地産地活によるデータセンターを中心とした産業集積の実現、更なる再エネ需要家の新規立地を推進
  2. 市庁舎を中心とした公共施設群の脱炭素化を実現すると同時に、公用車の脱炭素化を実現しながら、レジリエントな行政機能を実現
  3. 電力の貯蔵・平準化として、大型蓄電池の導入及び水素製造の導入による地域調整力の確保により、再エネの地域活用の拡大を推進
  4. 地域の脱炭素と公共交通の実現をセクターカップリングにより実現し、地域の活性化を図る
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 石狩湾新港地域内に設置予定の太陽光発電(1,800kW)とベースロード電源となる木質バイオマス発電により発電された電力を特定送配電事業より、同地域内に新設予定のデータセンター及び隣接する公共施設(体育館)に供給
  2. その後も新規電源や近隣の固定価格買取期間が終了した電源を受け入れながら、産業集積の実現と共に順次再エネ供給力を増強。また、水素や大型蓄電池、デマンドレスポンス型需要施設など自然変動型電源の受け入れに向けた地域調整力機能の拡大を推進
  3. 公共施設群5施設において、太陽光発電設備の設置・自家消費を進め、不足分は石狩湾新港地域から供給するための手法を確立。さらに、蓄電池等の設置により5施設間の電力融通を行うことを実現し、将来的に再エネ電力の地域での自給率をさらに向上
  4. 地域の再エネによるグリーン水素のサプライチェーンの構築や木質バイオマス発電所などから生じた熱エネルギーの近隣活用など、再エネの総合供給効率を向上
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 公用車のEV化等とカーシェアリングの実施による運輸部門の温室効果ガスの削減と共に車載蓄電池を防災活用
  2. 再エネによる新たな公共交通や再エネの広域送電の実現に向けた検討により、再エネによる地域課題の解決と共に、再エネの地産地活を推進

東北ブロック

青森県 佐井村

日本で最も小さくかわいい漁村のゼロカーボンへの挑戦
~漁業を基軸とした地域循環型プラットフォーム~

取組の全体像

村も出資して設立した「株式会社さいエナジー」(現在青森県民エナジー株式会社の取次店)の事業拡大により、村内の住宅、民間事業所等に太陽光発電・蓄電池を導入するとともに、小水力発電や風力発電を活用して村全域の脱炭素化を実現し、自立分散型電源の確保による村全域のレジリエンス強化を図る。佐井村漁業協同組合と連携して、「海岸漂着物等地域対策推進事業」(環境省)を活用して回収している海岸漂着ごみ等から樹脂燃料を製造し、水産加工場に設置するボイラーの燃料として活用するなど、主要産業である漁業を基軸とした持続可能な村づくりを推進。

取組により期待される主な効果
  1. 海岸漂着ごみの有効利用により、樹脂燃料ペレット製造のための新たな雇用創出を図るとともに、水産加工工場への再エネ導入も実施して加工場を脱炭素化してカーボンフリー水産品として付加価値向上を図る
  2. 漁港ごとに集落が点在するという漁村の特性を踏まえ、太陽光発電・蓄電池の導入により自立分散型電源を確保し、村全域のレジリエンスを強化
  3. 「取次店」として事業をスモールスタートさせ、需要家との関係構築やノウハウの蓄積、体制整備を行った上で小売事業や発電事業へと徐々に業態を拡大し、事業リスクを低減しつつ、エネルギー地産地消の担い手を育成
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 村全域の住宅や民間事業所等に自家消費型太陽光発電(2,905kW)・蓄電池を導入
  2. 村内の小規模河川を活用した小水力発電(141kW)や、民間事業者が設置する風力発電(3,000kW)等の再エネ電力を、将来的に「株式会社さいエナジー」が小売電気事業を担い、村内に供給
  3. 全世帯に配付しているタブレット端末「AI(愛)さいボード」と連携し、再エネ導入家庭に対して、買い物支援システムで使用可能なデジタル通貨をポイントとして還元
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 公共施設に薪ボイラーを導入するほか、海岸漂着ごみ等から製造した樹脂燃料を水産加工場のボイラーで活用
  2. 住民・事業者の自家用車、スクールバス、公用車をEV化するとともに、充電ステーションを整備
  3. 指定避難所(15カ所)にV2Hを設置して非常時の給電体制を確保

関東ブロック

神奈川県 川崎市

川崎市の交通要衝「みぞのくち」からはじめるCO2最大排出都市の脱炭素アクション

取組の全体像

川崎の交通要衝である溝口周辺民間施設(脱炭素アクションみぞのくち推進会議会員企業65施設のうち民生50施設:業務、商店、倉庫等、民生以外2施設)と全公共施設(1,067施設)を、各施設の屋根等を活用した太陽光発電設備・蓄電池の導入や既設・新設の太陽光・ごみ発電の活用等を行いつつ、2023年度設立予定の地域エネルギー会社との連携も図りながら、脱炭素化を図る。また、同会員企業において、EV等の導入を図るとともに、2030年度までに全公用乗用自動車へ次世代自動車を導入する。

取組により期待される主な効果
  1. 地域エネルギー会社の設立等による地産地消再エネ電力の供給に向けた電源開発、設備投資による地域経済の活性化、エネルギー収支の改善
  2. 災害時の避難場所に指定されている市内小中学校において、蓄電池を避難所運営や避難住民の情報通信機器等の電源として活用することにより災害時のレジリエンス強化
  3. アマゾンジャパンをはじめとした大きな発信力を有する民間施設群の取組を皮切りに、関連するグループ企業や市内中小企業の脱炭素化を促進
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 溝口駅周辺民間施設群において、太陽光発電設備の設置(4,947kW)や蓄電池(充放電設備を含む)の導入、EV・BEMSの導入等を推進
  2. 公共施設群において、太陽光発電設備の導入(約6,000kW)や既設・新設のごみ発電の活用、照明設備のLED化等を進め、不足する分は再エネ100%電力に切り替え
  3. 民間施設群、公共施設群に設置された太陽光・蓄電設備等を活かし、地域エネルギー会社(令和5年設立予定)等が面的なエネルギーマネジメントを目指す
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. EVカーシェアの実証事業者や共同住宅における充電設備等の整備促進、社用車でのEVカーシェアの活用
  2. 2030年度までにすべての公用乗用自動車へ次世代自動車を導入
  3. 金融機関との連携によるSDGs活動の活発化
  4. アマゾンジャパンと連携した先行地域に関するPR・普及啓発等の展開

中部ブロック

長野県小諸市

みんなでつくるみんなにやさしいゼロカーボンシティこもろ
~低炭素まちづくりから脱炭素まちづくりへ持続的で活気ある地方小都市モデル~

取組の全体像

都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画で定められた「都市機能誘導区域」の施設集約化に合わせて、小水力やバイオガスなどの多様な再エネ電源を活用した一体的なエネルギーマネジメントシステムや地域マイクログリッドを構築するとともに、100%再エネ稼働によるEVモビリティシステムを導入することで、これまでのコンパクトシティの取組を発展させ、脱炭素まちづくりを実現。家庭系・事業系生ごみを利用したバイオガス発電の導入や下水熱等の都市に賦存する未利用熱の活用を促進するなど、行政、市民、市内事業者等が連携して、地域資源と経済の循環を創出。

取組により期待される主な効果
  1. 都市機能誘導施設の整備に合わせて、エネルギー利用高度化や、地域マイクログリッド構築によるレジリエンス強化を進め、安全安心で利便性の高いコンパクトシティを実現することで、中心市街地の魅力向上を図る
  2. 家庭や食品製造業等で発生する生ごみをバイオガス発電に有効活用して廃棄物処理費用の低減を図り、新規食品製造事業者の進出を後押し
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 太陽光発電(6,460kW)、小水力発電(252kW)、バイオガス発電(150kW)といった多様な再エネの導入、蓄熱槽を活用した需給調整、CEMSによる常時監視を行い、VPPによるエネルギー利用高度化を図る
  2. 市庁舎、医療施設、商業施設等の都市機能が集約されたエリアに自営線を活用した地域マイクログリッドを構築
  3. 既存住宅180戸について、地域の金融機関と連携した融資斡旋を実施し、ZEH改修を行う
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 下水熱を利用したヒートポンプの増設や、温泉施設からの排湯を農業施設の加温に利用するなど、地域の未利用熱を有効活用
  2. コミュニティバス、デマンドタクシーのEV化、再エネ発電所への充電設備の導入により、脱炭素地域交通ネットワークを構築
  3. 公用車をEV化し、災害時に移動蓄電池として活用

近畿ブロック

京都市

京都の文化・暮らしの脱炭素化で地域力を向上させるゼロカーボン古都モデル

取組の全体像

京都文化の象徴である伏見稲荷大社・藤森神社・醍醐寺・地域寺院等の文化遺産100箇所に太陽光などの再エネ設備・蓄電池を最大限導入し、文化遺産の脱炭素転換モデルを構築するとともに、商店街にはソーラーアーケード等を整備し、既存住宅で居室等の部分改修を含めたZEHレベル化改修を促進。
京都広域再エネグリッド協議会では、市遊休地へのオフサイト太陽光発電の導入やエネルギーマネジメントを行い、電気料金の一部を寺社や商店街の活動費として還元。また、脱炭素化した寺社をEVタクシーで巡るゼロカーボン修学旅行や大学等のグリーン人材育成拠点の脱炭素化により、他地域への波及効果を創出。

取組により期待される主な効果
  1. 寺社等のコミュニティの拠点に再エネ設備・蓄電池を導入することで、レジリエンス強化を図るとともに、文化遺産の脱炭素転換モデルを構築
  2. ゼロカーボン修学旅行や大学等の人材育成拠点の脱炭素化により、修学旅行生や大学生の出身地域へ取組を広げる波及効果を創出
  3. 京都広域再エネグリッド協議会が電気料金の一部を寺社や商店街の活動費として還元し、再エネの地産地消と地域活性化を同時実現
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 文化遺産(寺社)に太陽光などの再エネ設備(2,078kW)・蓄電池の最大限導入を駐車場や関連施設屋根等導入箇所を工夫して行うことや、機器の省エネ改修、再エネ調達により脱炭素化
  2. 伏見3商店街でソーラーアーケード(560m)の整備や省エネ改修を実施
  3. 地元工務店、大手ハウスメーカーで構成される優良ストック住宅推進協議会と連携して、既存住宅リフォーム需要を掘り起こし、部分改修を含んだZEHレベル化改修を促進するとともに、伏見工業高校跡地等において、新たに次世代ZEH+街区を形成
  4. 発電事業者、小売電気事業者等からなる京都広域再エネグリッド協議会を設置し、市遊休地へのオフサイト太陽光発電(2,600kW)の導入やエネルギーマネジメントを実施
  5. 脱炭素転換を牽引するグリーン人材を育成し、育成拠点である立命館大学・龍谷大学等を脱炭素化
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 点在する文化遺産を巡るモビリティとして、タクシー(738台)をEV化するとともに、京阪伏見稲荷駅をゼロカーボンステーション化
  2. EVタクシーで巡る修学旅行生向け学習ツアーを企画し、ゼロカーボン修学旅行を実現

中国ブロック

岡山県 西粟倉村

2050“生きるを楽しむ”むらまるごと脱炭素先行地域づくり事業

取組の全体像

村全域における公共施設等(庁舎、教育・福祉施設、産業・商業施設、村営住宅等。村の全電力使用量の30%相当)について、屋根等に太陽光・風力・蓄電池を導入するとともに、既存の小水力発電、太陽光、木質バイオマス発電を活用しながら、設立予定の地域新電力を通じてエネルギーマネジメントを行いながら 脱炭素化を図る。
また、データプラットフォーム上でエネルギーの見える化を行い、村民の排出量削減に向けた行動変容を促す。

取組により期待される主な効果
  1. VPPやPPA事業を担う地域新電力事業会社を設立することで地域経済 基盤の創出や、森林整備で発生する廃棄物であるバークを木質バイオマス事業に活用することによる循環社会の実現
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 各施設等に屋根置きの太陽光パネル・蓄電池を設置し、自家消費を推進。また、2022年度中に設立予定の地域新電力会社が、PPAやVPPを展開し、データプラットフォームにより一元管理して既設の太陽光発電や小水力発電、木質バイオマス発電を含む村内で生産された電力を地域全体に供給(熱エネルギー事業は既存の熱エネルギー会社が運営)
  2. 公共施設、教育施設、村営住宅等に対するLED照明・高効率換気設備の導入、断熱改修の実施、ZEB・ZEH化の推進
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 2008年から推進してきた「百年の森林構想」によって搬出される木材の土場で発生する廃棄物(樹皮バーク)を木質チップの乾燥に活用するバークボイラーの導入

四国ブロック

高知県 北川村

『持続可能な人口1,000人の村』モデル構築に向けた北川村版脱炭素事業推進プロジェクト

取組の全体像

豊富な再エネ導入ポテンシャルを活用して、小水力発電・太陽光発電の導入を進め、村全域を脱炭素化。
村が出資する北川村振興公社が中心となって、再エネ電源の運営と特産品であるゆずのソーラーシェアリングによる試験栽培を通じた地域主力産業の拡大を図り、地元農業協同組合と連携して、スマート農業の導入促進やゆずの品質向上による新たな園地形成を推進。
脱炭素事業と農業振興の推進により、地域における電気技術者の育成や農業従事者の新規雇用を創出し、若者のU・Iターンによる移住者の増加を図る。

取組により期待される主な効果
  1. 村振興公社が主体となる地域還元型の小水力発電・太陽光発電事業を導入することで、地域おこし協力隊制度等を活用した電気技術者人材の育成や新規雇用を創出
  2. ゆず栽培の成果が蓄積されることにより、ソーラーシェアリング下での栽培技術が向上するとともに、農機具の電動化、ロボット導入による防除作業の実証の成果と連携して農業作業環境を改善
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 村内河川と既存の平鍋ダムの維持放流に小水力発電(4カ所、739kW)を導入し、北川村振興公社及び四国電力株式会社を通じて村内に供給
  2. 公共施設オンサイトPPAにより太陽光発電(計324kW)・蓄電池を導入して自家消費率を向上
  3. 村役場本庁舎及び保育所・小学校・中学校一体化施設のZEB化、移住者向け公営住宅1棟のZEH化を進めるとともに、住民等への補助金を創設して村内への展開を図る
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 村保有のゆず圃場にソーラーシェアリング(10kW)を試験導入し、栽培に使用する電動農機具等の電力として自家消費
  2. 公用車(7台)をEV化、EVスタンド(2か所)を整備するほか、土日等の不使用時には民間企業等がカーシェアリングとして活用
  3. 村内主要観光施設と近隣市町村を結ぶ村営バス(5台)をEV化

九州・沖縄ブロック

鹿児島県 日置市

マイクログリッドの新たな展開と低落差小水力発電のモデル化
~再エネ人材拠点、日置市の挑戦~

取組の全体像

人口減少が著しい吹上地域で、未利用地や耕作放棄地等に太陽光発電を最大限導入するとともに、ベース電源としてらせん水車等を活用した小水力発電設備を設置し、「ひおき地域エネルギー株式会社」が再エネ電力を供給するなど、新たな脱炭素事業を創出しながら、対象地域の脱炭素化を実現。地元吹上高校生への電動自転車・電動バイクのレンタルや、座学・実地教育を実施し、再エネ関連企業への安定した就職につなげ、入学者の増加と再エネ人材育成拠点の構築を目指す。

取組により期待される主な効果
  1. 再エネの利用促進による収益の一部を「ひおき未来基金」に積み立て、関係人口対策等に充当し、持続可能な地域社会を目指す
  2. 小水力、風力、太陽光の多様な再エネ電源を利用して実地教育を行い、吹上高校で再エネ人材を育成し、市内の再エネ事業者への就職につなげることで、人口流出を抑制
  3. 基幹産業の製造業への再エネ導入により、経営基盤の強化を図り、再エネ地産地消の工業団地としてブランド力の向上を図る
民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
  1. 戸建住宅、集合住宅、事業所等に対して、PPA事業により、太陽光発電・蓄電池(1,324kW程度)を導入
  2. 未利用地や耕作放棄地に太陽光発電(6,674kW)を導入
  3. 低落差(10m未満)でも発電可能な「らせん水車」等を活用した小水力発電(5箇所、計281kW)を導入
民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
  1. 徳重工業団地の民間施設に、太陽光発電設備(705kW)を導入するとともに、将来的にRE100を目指す
  2. 定員割れが続いている吹上高校において、保護者負担軽減策として通学用の電動自転車・電動バイクを貸与するとともに、再エネ人材育成講座を開催