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2022.11.8 TUE

17:00 - 18:30
サステナブルファイナンス、トランジションファイナンスがアジアにおけるネットゼロへの道筋において果たす役割とは
主催者
主催:環境省、OECD
協力:公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
セミナー概要
パリ協定の目標達成に向け、世界各地で気候変動への取り組みが行われています。
アジアは、グローバルにネット・ゼロを実現する上での重要な地域で、世界の温室効果ガス排出量の半分をアジアが占めており、また、アジアのエネルギー消費の約85%を化石燃料が占めていますが、その消費量は2030年までに倍増すると予測されています。
そのため、特にアジアでは、トランジション・ファイナンスのアプローチと実践を発展させることが重要です。
本イベントでは、アジアにおけるトランジション・ファイナンスのスケールアップのための主要なプラクティスと課題について議論します。
全てのセクターで気候変動への対応に必要な資金を拡大する必要があることから、日本の「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」やシンガポールやASEANのトランジション・タクソノミー等、トランジション・ファイナンスに関連するイニシアティブが増えてきています。
また、OECDのトランジション・ファイナンスに関するガイダンスでは、信頼できる企業のトランジション計画の要素を提示しています。
このイベントは、アジアにおけるトランジション・ファイナンスを加速させるため、アジアにおける移行ファイナンスの分野における最新の取組や開発について議論する予定です。
本イベントは、COP27会場とオンラインのハイブリッド開催ですが、開催後は録画をご覧いただくことができます。
動画の視聴はこちら: https://www.oecd-events.org/cop27/session/35a07c45-c04f-ed11-819a-000d3a45c4a7
登壇者
【現地登壇者】
  • Christian Déséglise(HSBC) Managing Director, Group Head of Sustainable Infrastructure and Innovation
  • Jo Tyndall(経済協力開発機構) Director, Environment Directorate
  • 小野洋(環境省) 地球環境審議官
  • 水野紗也(環境省) 環境経済課 課長補佐
  • Paulina Dejmek-Hack(欧州委員会) Director for General Affairs, DG FISMA
  • 稲垣精二(第一生命ホールディングス) 代表取締役社長
  • 池田賢志(金融庁) チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー

【オンライン登壇者】
  • Larry McDonald(米国財務省) Deputy Assistant Secretary
  • Jelena Macura(欧州化学工業連盟) Head of Sustainable Finance
  • Paulina Dejmek-Hack(欧州委員会) Director for General Affairs, DG FISMA
セッション
サマリー

開会挨拶において、環境省小野地球審議官は、パリ協定の目標達成のためにトランジションファイナンスが重要であると強調した他、「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」等の日本のトランジションファイナンスの政策を紹介した。

モデレーターの池田金融庁チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサーは、アジアは最も早い経済成長を遂げている地域であると同時に化石燃料への多分の依存している現状を踏まえ、経済成長の維持とエネルギー転換の両立が大きな課題で、その克服の必要性を指摘した。

パネルディスカッションでは、各登壇者から、トランジションファイナンスの以下の取組に関する説明があった。

  • ・EUでは、タクソノミー、サステナビリティに関する情報開示、グリーン商品等の様々なサステナブルファイナンスの政策を通じてトランジションを推進。
  • ・米国のイエレン米国財務長官による、気候変動の野心度向上等に関する多国籍開発銀行(MDBs)への働きかけ。
  • ・G20サステナブルファイナンス作業部会による、トランジションファイナンスのためのフレームワークの開発。フレームワークでは、トランジション活動・投資の特定、活動・投資に関するレポーティング、金融商品、政策、トランジションによる負のインパクトの評価・緩和の5テーマを扱う。
  • ・OECDによる、企業による信頼性のあるトランジション計画の要素を示した「トランジションファイナンスに関するOECDガイダンス」の発表。
  • ・欧州化学工業連盟(Cefic)による、EUの野心的な2050年気候中立への賛同と、EUグリーンディールの目標にむけた進捗を加速化するための欧州委員会(EC)主導の化学産業の移行パスウェイ開発プロセスへの参加。
  • ・第一生命の稲垣社長によるGFANZプリンシパルズグループへの参加、スコープ3まで含め2050年までにグローバル経済をGHG排出ゼロに移行することをサポートするというGFANZのコミットメント。
  • ・HSBCによる、グリーン及びトランジションファイナンスの目標設定(2030年までに1兆ドルの規模)と、イノベーション促進のための新技術への投資、持続可能なインフラ資産に関するラベルの開発。
  • ・日本、米国、EU等が参加する、石炭から再生可能エネルギーへの移行のためのインドネシアの取組を支援するインドネシアとの「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」共同声明の合意。HSBC等、GFANZメンバーの投資も予定される。

議論では、アジアおよびグローバルレベルでのトランジションファイナンス自体の重要性はもちろんのこと、そのクレディビリティ、透明性、説明責任が必要であること等が指摘された。化学産業については、技術革新やリサイクル等の更なる推進の必要性、また、改修とイノベーションに関する設備投資と経常経費への投資額が多額に上ること等の課題が説明された。市場全体としては、企業による情報開示の強化、データの比較可能性、トランジションファイナンスの小さい市場規模、ブレンデッドファイナンスの強化が課題であること等が述べられた。また、JETPはインドネシアの石炭火力発電所の早期撤退(early retirement)を加速化させるものであり、JETPのモデルはその他地域での展開への期待が述べられた。

最後に、モデレーターの池田金融庁チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサーによるまとめとして、各国国内でのトランジションファイナンスの枠組み、トランジションファイナンスの拡大、官民連携などの重要性、新しい技術やR&D分野への資金拡大等が指摘され、閉会した。

当日のセミナーの録画はこちらよりご覧いただけます(英語)。
https://www.oecd-events.org/cop27/session/35a07c45-c04f-ed11-819a-000d3a45c4a7

その他のタイムテーブル

2022.11.8 TUE

10:30 - 12:00

JCM実施の促進及び拡大

主催:環境省
共催:一般社団法人海外環境協力センター(OECC)
13:00 - 14:30

温室効果気体排出抑制とその影響:現状と将来展望

主催:国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
共催:国立環境研究所
NASA/JPL
CSIRO
AIT
15:00 - 16:30

環境に配慮したカーボンニュートラルな造水及び水処理システムを目指して

東海国立大学機構 岐阜大学
19:00 - 20:30

STSフォーラムCOP27 地域毎の気候変動適応策に関する特別シンポジウム

NPO法人 STSフォーラム事務局