2022.11.11 FRI
- 17:00 - 18:30
- オールジャパンで取り組む、熱帯林・熱帯泥炭地の持続可能な管理、及びモニタリング手法の国際ルール形成に向けた取り組み
- 主催者
- 経済産業省
- 共催者
- 株式会社IHI
住友林業株式会社
- セミナー概要
- 現在、熱帯林及び熱帯泥炭地は正確な計測・評価手法の欠如から、森林や泥炭地が持つ本来の価値が適切に評価されていない。そのため、乱開発やそれに伴うCO₂排出が依然進む中、森林由来のカーボンクレジットは安価で取引されてしまっている状況である。
住友林業とIHIは、日本の先端技術を結集しこれらの課題解決に加え、気候変動対策に貢献するために、協業プロジェクト"NeXT FOREST"を2021年に開始した。2022年にはJV会社を設立し事業を本格化。正確な観測手法や森林管理技術をビジネスの形で世界中に展開し、評価手法や計測技術は学術論文や書籍とともに世界に発信する。泥炭地からの排出削減および吸収源としての森林活用を通した"Carbon Negative"の実現を目指している。
本取り組みに対し経済産業省は、最先端の多波長センサーおよび小型衛星群・大型衛星を活用したモニタリング手法の開発において支援を実施。オールジャパンによる国際ルール形成に向けて取り組んでいる。
本セミナーでは、このような経済産業省・住友林業・IHIの取り組み・知見・技術について紹介すると共に、衛星観測データの活用、熱帯林・熱帯泥炭地の保全・管理等を通した気候変動対策について、産・官・学の先駆者によるディスカッションを行い、この取組の重要性を世界に発信する。
- 登壇者
- 大崎 満(北海道大学) 名誉教授
- 冨山 堅登(株式会社IHI ソリューション統括本部) スタッフ
- 山内 淑久(株式会社IHI 戦略技術統括本部) 主幹
- ニケン アンディカ プトリ(住友林業株式会社 脱炭素事業企画室) スタッフ
- 嶋﨑 里緒奈(住友林業株式会社 脱炭素事業企画室) スタッフ
- セッション
サマリー -
住友林業のニケン・アンディカ・プトリ社員による司会進行のもと、北海道大学の大崎名誉教授はカーボンネガティブ(カーボンニュートラルを超えて、CO2の排出量よりも吸収量が多いこと)の目標を達成するためには、炭素の吸収・固定や水と栄養の循環といった、森林が本来持つ特性・効用を活用したNature-based Solutionが重要であることを強く説明しました。結びに、熱帯では森林や日光等の自然を有効活用し共存していく森林共生循環社会を提案した。住友林業の嶋﨑社員からは、アフリカをはじめとする熱帯諸国では森林や泥炭地に関するデータが不足していること、そのため森林・泥炭地の損失やその影響が過小評価されているという課題を紹介しました。また、課題解決のためには地上データとリモートセンシングを組合せ、高精度・低コスト・リアルタイムでデータを解析・検証する新たな手法が求められていることを述べた。発表の後半では、住友林業グループがインドネシアの西カリマンタン州で展開するランドスケープマネジメントに関する知見や経験、さらに自然資本の価値を最大化する管理手法について紹介しています。IHIの冨山社員は,IHIの4つの事業領域の紹介を行い,エネルギー環境事業領域においては燃料アンモニアや水素燃焼によるカーボンニュートラル化を目指す取組について,社会基盤・海洋事業領域においては橋梁や水門などのインフラによって防災減災を実現する取組について,産業機械・汎用システム事業領域においては工場の省エネなどによるカーボンニュートラル化を目指す取組について,航空宇宙事業領域においては宇宙利用技術や中長期気象予測技術や地上気象観測技術に基づく森林保全に対する貢献について紹介しました。IHIの山内主幹は,IHIと住友林業が共同で取り組むNeXT(Negative emmission eXpert Technology) for FOREST プロジェクトについて,紹介しました。地上環境センシングデータとUAVや衛星からのリモートセンシングデータの組み合わせによって,従来よりも短期間・高精度・リアルタイムに,貯水型の森林保全や火災リスク評価を効率的に展開し,カーボンネガティブ社会の実現を目指していくことを述べました。
- メッセージや
成果 - セッションには様々な国およびステークホルダーの聴講者が参加しました。熱帯泥炭地を保有する国からの参加者がNature-based Solutionを適用するための具体的な方法について質問が寄せられ、森林や泥炭地の適切な管理と活用に対する国際的な関心の高さが示されています。住友林業とIHIは、経済産業省をはじめとする省庁や国際機関、学術機関との連携を加速化し、持続的な森林・泥炭地管理を通して気候変動対策に貢献していきたいと考えています。
その他のタイムテーブル
2022.11.11 FRI
- 10:30 - 12:30
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アジア太平洋地域における最新の科学的知見に基づく国家適応計画の策定とその実施 - 適応に関する世界目標(GGA)の達成に貢献する適応策の推進体制の構築に向けて
主催:国立環境研究所(NIES)
環境省
地球環境戦略研究機関(IGES)
共催:アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)
- 13:00 - 14:30
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グリーン水素エネルギーの開発
独立行政法人 国際協力機構(JICA)
- 15:00 - 16:30
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産業の脱炭素化、国境炭素調整と気候クラブ
主催:公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE)
共催:米国未来資源研究所(RFF)