2022.11.8 TUE

13:00 - 14:30
温室効果気体排出抑制とその影響:現状と将来展望
主催者
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
共催者
国立環境研究所
NASA/JPL
CSIRO
AIT
セミナー概要
文部科学省は、IPCC評価報告書サイクルを支援する地球システムモデル開発プログラム(SENTANプロジェクト)を新たに立ち上げた。また、COP26で宣言されたように、日本の研究機関や大学(国立環境研究所、海洋研究開発機構、気象研究所、千葉大学)は、環境省のSII-8プロジェクトで世界に先駆け「温室効果ガス収支のマルチスケール推計速報(タイトル仮訳、2022)」をまとめてグローバルストックテイクに提供している(https://www.nies.go.jp/sii8_project/index.html)。 これらの活動や独自の研究により、過去の温室効果ガスの収支を、人為起源と自然起源のフラックスに分けて理解するための様々な課題に取り組んできた。その結果、二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)の3つの温室効果ガスの発生源と吸収源を高解像度・高精度で推定することに成功した。しかし、陸域・海域の炭素・窒素循環に対する将来の気候フィードバックは、将来より大きな役割を果たすと予想され、最新のIPCC AR6でも大きな不確実性が残されている。COP27 では、温室効果ガス排出の制御に関する新たな科学と、世界メタン公約(2030 年までに 30%削減)や 2050 年までに実質排出ゼロを目指すより野心的な「国が決定する貢献」(NDC) で示された気候緩和目標達成のための将来課題について議論される予定である。人間活動の激化や自然生態系における炭素吸収効率の変化により、この課題の重要性は増している。本セミナーでは、地球システムモデルを用いた近未来の温室効果ガスレベルの予測や気候変動への影響評価の可能性を示す。なお日本から提供された過去と将来の温室効果ガス排出源と吸収源の予測データは、UNFCCCへの国別報告で利用・評価される予定である。セミナーでは、日本国内外から講演者を迎え、国際動向や日本への期待について議論を交わす。
JAMSTEC公式告知サイト【英語版のみ】
https://www.jamstec.go.jp/rigc/e/events/cop27-jps/
(オンライン参加登録はこちらのページから)
登壇者
【現地登壇者】
  • 河宮未知生(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)) センター長
  • 伊藤昭彦(国立環境研究所) 室長
  • Prabir K. PATRA(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)) 上席研究員
  • Shobhakar DHAKAL(Asian Institute of Technology) Professor and Vice President (Academic Affairs)
  • Kevin W. BOWMAN(NASA) Directorate Principal

【オンライン登壇者】
  • 金谷有剛(海洋研究開発機構) センター長
  • 三枝信子(国立環境研究所) 領域長
  • Pep CANADELL(CSIRO Science Centre) Chief Officer
セッション
サマリー

P. Patra氏(JAMSTEC)の司会のもと、文部科学省の高附課長補佐からの挨拶に始まり、河宮(JAMSTEC)、伊藤(環境研)の両氏からそれぞれ、文部科学省先端プログラム、環境省 SII-8 で進む炭素循環関連の研究紹介があった。続いて、米NASA JPL の K. Bowman 氏、豪CSIROの J. Canadell 氏、タイAITの S. Dhakal 氏など海外の著名な研究者らも迎えて、温室効果気体循環の観測、モデリングに関して活発な議論が交わされた。来場者から、現状のモデル開発で必要とされることは何か、といった質問があがり、先端プログラムでは非CO2温室効果気体の取り扱いや森林火災に力を入れようとしている旨を河宮氏が回答した。

パネルディスカッションからは司会を河宮氏に代わり、Patra氏も議論に加わった。さらに三枝氏(環境研)、金谷氏(JAMSTEC) もオンラインで参加し活発な議論が交わされた。来場者の中にはESAの衛星観測関係者もおり、現場観測から全球規模データセットへのアップスケーリングに際しての国際協力の重要性を指摘する発言があった。炭素循環、大気化学の分野でそれぞれ現場観測を精力的に展開する三枝氏や金谷氏、来場していたJAXAの関係者も呼応し、観測とモデリングの協力、JAXA, ESA, NASAの協力の必要性をうったえるなど、パネルディスカッションの時間は来場者も交え大いに盛り上がった。 現地参加者は延べ人数で40人近く、他にオンラインでの聴講者が常時90名ほど、延べ124名が接続していた。

* 略語集
AIT: Asian Institute of Technology(アジア工科大学院)
CSIRO: Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation(オーストラリア連邦科学産業研究機構)
ESA: European Space Agency(欧州宇宙機関)
JAMSTEC: Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology(海洋研究開発機構)
JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency(宇宙航空研究開発機構)
JPL: Jet Propulsion Laboratory(ジェット推進研究所)
NASA: National Aeronautics and Space Administration(アメリカ航空宇宙局)
NIES: National Institute for Environmental Studies(国立環境研究所)

JAMSTEC公式Youtubeチャンネル
https://youtu.be/mAQAan14S6A

その他のタイムテーブル

2022.11.8 TUE

10:30 - 12:00

JCM実施の促進及び拡大

主催:環境省
共催:一般社団法人海外環境協力センター(OECC)
15:00 - 16:30

環境に配慮したカーボンニュートラルな造水及び水処理システムを目指して

東海国立大学機構 岐阜大学
17:00 - 18:30

サステナブルファイナンス、トランジションファイナンスがアジアにおけるネットゼロへの道筋において果たす役割とは

主催:環境省、OECD
協力:公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
19:00 - 20:30

STSフォーラムCOP27 地域毎の気候変動適応策に関する特別シンポジウム

NPO法人 STSフォーラム事務局