イベントスケジュール

イベントスケジュール - COP25 JAPAN PAVILION

2019.12.13

10:30 - 12:00 2019.12.13
イノベーションによる環境と経済の好循環

~日本から世界へ~「美しい地球をCCS技術で守る!」
(第2部)

主催者

  • 日本CCS調査株式会社

共催者

  • 経済産業省
  • 国立研究財団法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

イベント概要

日本はパリ協定を踏まえ、2050 年 80%の温室効果ガス削減という長期目標を掲げ、今世紀後半のできるだけ早い時期に「脱炭素社会」を実現することを目指しており、本年6月に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定しました。このようなビジョン達成に向けては、ビジネス主導の非連続なイノベーションや地球環境保全と経済成長の両立を目指す「環境と成長の好循環」が不可欠であり、本セミナーでは、脱炭素化の鍵となり得るCCS/CCUS(二酸化炭素回収・貯留、利用)についての講演を行います。

第1部では、環境省主導の商用規模の火力発電所における大牟田実証事業の最新動向など、第2部では、経済産業省/国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主導のCO2の分離・回収から貯留まで実証する苫小牧CCS実証試験事業などの講演を行います。また、世界のCCSをリードする海外のCCS専門家からは、CCSの国際標準や将来のビジョンなどを講演いただき、日本が世界と連携して革新的なCCSを推進していくことをアピールします。

なお、本年は日本がG20の議長国を初めて務めるとともに、エネルギー・環境をテーマとした「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」も初めて開催しました。同会合で採択したイノベーションアクションプランに則り、今後国際的・地域的な取り組みの強化が期待されており、温暖化対策技術が経済成長の源となるようなイノベーション創出や社会実装・普及に向けたCCS/CCUS推進をはじめ、今後の国際連携や官民一体型の非連続的イノベーションにより実現可能な水素社会など日本が目指す未来像にも触れます。この中では、日本より「カーボンリサイクル」というCCS/CCUSを推進するための新しいコンセプトなども国際社会に提案し、SDG‘sが真に理想とする地球環境と社会の実現も踏まえ、地球環境保全に向けた国際社会におけるCCS/CCUSに係る議論の活性化を図ります。

登壇者

  • 川口 征洋 経済産業省 産業技術環境局環境政策課地球環境対策室長
  • 澤田 嘉弘 日本CCS調査株式会社 顧問兼国際部長
  • ジョン・スコウクロフト グローバルCCSインスティテュート コンサルタント
  • ティム・ディクソン ジェネラルマネジャー IEAGHG
  • キャサリン・ロマナック テキサス大学オースティン校経済地質局 科学者

司会:田中 次郎 日本CCS調査株式会社 国際部担当部長

セッションサマリー

本セッションでは、環境省地球環境局 辻原参事官(国際地球温暖化対策担当)より開会のご挨拶をいただいた後、4名の登壇者からの発表と質疑応答、ディスカッションを行った。

  • 東芝エネルギーシステムズの鈴木健介部長(パワーシステム事業部海外営業第一部)より、東芝エネルギーシステムズのCO2回収技術開発と特長、同社が関わる2つのプロジェクト(佐賀市清掃工場(ごみ焼却施設)における二酸化炭素分離回収設備の設置およびCO2利用プロジェクト、環境省・環境配慮型CCS実証事業)の概要に関する説明があった。
  • International CCS Knowledge CenterのBeth Hardy氏(Vice-President - Strategy & Stakeholder Relations)は、同社が実施したShandプロジェクトのフィージビリティスタディ結果より、30万kW既存石炭火力発電にCO2回収設備を付設してCCSを実施した場合のコスト評価結果、コスト削減効果について紹介した。
  • 中国石油天然ガス(CNPC)安全・環境技術研究所の薛明氏(Senior Engineer – State Key Laboratory of Petroleum Pollution Control)は、CNPCにおけるCCUSの研究開発等の取り組みに加え、CNPCの今後の展望や同社のClean Development PlanにおけるCCUSの位置づけについて発表した。
  • Global CCS Institute のEve Tamme氏(Senior Advisor - International Climate Change Policy)は、世界のCCUSプロジェクト動向に関する説明に加え、欧州の2050年に向けたビジョンにおけるバイオマスCCS(BECCS)の位置づけ、および英国Drax発電所のBECCSプロジェクトの概要を紹介した。
    質疑応答では聴衆から、石油・ガス会社の技術開発や他のセクターのスコープ3排出量削減につながるイニシアティブの可能性や、CCSプロジェクトがフィージビリティスタディ後に中止となってしまったプロジェクトの理由、CCSが化石燃料利用を継続または増加させることへの懸念、CCU(CO2回収・利用)の気候変動対策としての可能性に関する質問があった。

メッセージや成果

日本はパリ協定を踏まえ、2050 年 80%の温室効果ガス削減という長期目標を掲げ、今世紀後半のできるだけ早い時期に「脱炭素社会」を実現することを目指しており、本年6月に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定しました。このようなビジョン達成に向けては、ビジネス主導の非連続なイノベーションや地球環境保全と経済成長の両立を目指す「環境と成長の好循環」が不可欠であり、本セミナーでは、脱炭素化の鍵となり得るCCS/CCUS(二酸化炭素回収・貯留、利用)についての講演を実施しました。

第2部では、経済産業省/国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主導のCO2の分離・回収から貯留まで実証する苫小牧CCS実証試験事業などの講演を実施し世界のCCSをリードする海外のCCS専門家とともに、CCSの国際標準や将来のビジョンなど、日本が世界と連携して革新的なCCSを推進していくことをアピールしました。

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