“技術で変える!” CCS国際ワークショップ
主催者
- 主催 経済産業省 (共催:環境省、日本CCS調査株式会社)
イベント概要
CCS(二酸化炭素回収・貯留)は、地球温暖化対策のみならず、エネルギー安全保障や経済成長を同時に達成するための鍵となる技術として、持続可能な開発の観点から、世界的に重要な技術である。
また、世界各地でCCSの実用規模のプロジェクトが進展しており、CCSは技術的にも現実的な選択肢となっている。
その一方で、CCSの普及の拡大に向けては、依然として、CCSコストの削減や、リスクの低減、投資を呼び込むための仕組みづくりなどの課題が存在する。
以上の状況を念頭に置いて、本イベントでは、①幅広い視点から、地球温暖化対策におけるCCSが果たすべき役割を共有した上で、②民間企業によるCCSの技術革新への取り組みの紹介を通じて、CCSが現実的な手段であることを明示し、③最後に、我が国は技術革新や国際協力を通じて、CCSの普及の拡大へ取り組み、世界全体での地球温暖化の解決へ貢献していくことを提示する。
登壇者
- アントニオス・パパスピロポウロス グローバルCCS インスティテュート グローバルリード
- ジョン・スコウクロフト グローバルCCS インスティテュート エグゼクティブアドバイザー(欧州担当) プレゼン資料 (PDF, 914KB)
- ティム・ディクソン IEAGHG プログラムマネジャー プレゼン資料 (PDF, 4.9MB)
- 田中 次郎 日本CCS調査株式会社 国際部 担当部長 プレゼン資料 (PDF, 6.7MB)
- 鈴木 健介 東芝エネルギーシステムズ株式会社 部長 プレゼン資料 (PDF, 2.4MB)
- 川口 征洋 経済産業省 産業技術環境局地球環境連携室 室長 プレゼン資料 (PDF, 1.2MB)
イベント資料
セッションサマリー
グローバルCCSインスティチュートのJohn Scowcroft氏は、パリ協定の目標を達成に向けたCCSの必要性の国際的な認識、IPCC1.5°Cリポートが強調する2050年の排出量ゼロに向けたCCSの重要性、産業部門の脱炭素化におけるCCSの重要性などについてハイライトし、日本は国内のいずれのCCSプロジェクトも順調に進めており、産官学と地元社会との協調を通じたCCSへの取り組みにより国際社会をリードしていると説明した。IEAGHGティム・ディクソン氏は、パリ協定におけるNDC及び、2100年までの1.5ºCの達成に向けた温暖化対策としてのCCSの必要性を紹介し、日本を含む世界各国で実施されているCCSプロジェクトから学ぶことの重要性を強調した。日本CCS調査(株)田中担当部長は、日本初の分離・回収まで一貫して実施している苫小牧CCS実証試験事業、国際展開を見据えた様々な技術的特徴を紹介。東芝エネルギーシステムズ株式会社の鈴木健介氏は、低炭素社会への長期目標におけるCCSの重要な役割と、同社が実施している三川における環境配慮型CCS実証事業、佐賀プロジェクトのCO2分離回収技術開発の最新動向やCCUSへの取り組みを発表した。
総括として経済産業省産業技術環境局地球環境連携室の川口室長より、我が国は、パリ協定を踏まえて策定された地球温暖化対策計画に沿って、CCSの技術革新と国際協調へ積極的に取り組むことで地球温暖化の解決へ貢献していく姿勢であることが示された。また、日本が議長国を務める来年のG20において、CCSを含むイノベーションの重要性を強調する考えを発信した。