イノベーションによる気候変動への取り組み(”Innovation for Cool Earth Forum (ICEF)”ロードマップ リリースイベント)
主催者
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
イベント概要
本イベントでは、ICEF(※)年次総会での議論を踏まえて、「CO2ネット・ゼロ・エミッション(人間の活動によるCO2の排出を実質ゼロにする)の実現に向けたイノベーション」について議論した。
また、二酸化炭素の直接空気回収(DAC)に関するICEFロードマップの発表も行った
※ICEF (Innovation for Cool Earth Forum)とは https://www.icef-forum.org/jp/
世界のリーダーが一堂に会して技術イノベーションによる気候変動対策を協議することを目的として2014年以降毎年、日本政府主導で開催されている国際会議。安倍晋三首相の提唱で発足。主催は経済産業省と国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)。
登壇者
- 高栁 大輔 経済産業省 地球環境対策室長
- デービッド・サンダロー コロンビア大学 世界エネルギー政策センター 創立フェロー
- フリオ・フリードマン コロンビア大学 世界エネルギー政策センター 上級研究員
- エイヤ・リイタ・コーホラ 元欧州議会メンバー
- フォルカー・クレイ 国際応用システム分析研究所 (IIASA) エネルギープログラム 副部長
- 竹内 純子 国際環境経済研究所 理事
- 表 尚志 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)国際部 地球環境対策推進室 理事
セッションサマリー
Sandalowコロンビア大学世界エネルギー政策センター創立フェローと、Friedmannコロンビア大学世界エネルギー政策センター上級研究員は、共同でCO2直接空気回収(DAC)ロードマップを発表した。DACはCO2除去技術(CDR)の一つであり、大気中CO2を直接削減できる気候変動緩和策の一つとして期待されている。宇宙船や潜水艦では既に実用化されているが、既存の技術では大気中の希薄なCO2を回収・分離し、濃縮する工程のコストが高いことや、多くの電力や熱の利用に伴い一定量のCO2排出があることが課題である。DACを気候変動対策として実用化 するためには、空気接触器およびCO2回収材料の高性能化、製造時やランニング時におけるライフサイクルCO2評価手法などの研究開発 、DAC設備等の 市場の創出などの政策的支援が必要である。
パネルディスカッションでは、Korhola元欧州議会メンバー、Krey国際応用システム分析研究所(IIASA)エネルギープログラム副部長、竹内国際環境経済研究所理事およびFriedmann上級研究員が、「CO2ネット・ゼロ・エミッション(人間の活動によるCO2の排出を実質ゼロにする)の実現に向けたイノベーション」について議論を行った。イノベーション技術の導入・普及に向けては、企業投資を促進する政策や、Mobility as a Service(MaaS)やデジタル化を含め、広い視野を持ったビジネスモデル転換の検討が必要であること が指摘された。