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FRI
JCM
15:00-16:30
タイトル | 二国間クレジット制度(JCM)の進捗と成果―パリ協定第6条の下での協力的アプローチ |
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概要 | JCMは国際的な市場メカニズムのひとつとして活発に運用されており、日本とパートナー国(16か国)とが協力して構築、実施してきた。歴史的な合意「パリ協定」の採択-JCMなどの国際協力はパリ協定第6条に位置付けられている。本サイドイベントでは、JCMパートナー国からパネリストを迎え、JCM実施に係る進捗や期待について議論するとともに、環境省からはJCMに係る最新の展望を紹介する。 |
主催/共催 | 環境省 / 海外環境協力センター(OECC) |
プログラム |
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セッション サマリー |
本イベントは、JCMパートナー国であるインドネシア、カンボジア、チリ、モンゴルにおけるJCM実施に係る進捗の共有、これまでの経験や今後の進展の議論を目的として、環境省及びOECCにより共催された。 初めにUNFCCC事務局より、パリ協定の第6条の下での市場メカニズムに関するSBSTAにおける検討状況について紹介された。 続いて環境省より、JCMのプロジェクト形成、クレジット発行などの最新状況について情報提供が行われた。 最後にパネルディスカッションでは、インドネシア、カンボジア、チリ、モンゴルの4カ国及び環境省を迎え、JCMの取組に関する以下の4つの質問について各国から意見が述べられた。 1)JCMを実施することにより何を学んだか。 インドネシア:特にMRVシステム、民間セクターの参加などに関して多くを学んでいる。また自ら制度を運営することを通じて、JCMのような新しい仕組みの構築に関する学びも重要である。 モンゴル:JCM実施に係る関係者として、JCM事務局、プロジェクト実施者、更には国内の第三者検証機関などに対するキャパシティ・ビルディングが促進された。 2)JCMを開始することにより得られる便益は何か。 チリ:JCMの実施は、チリが第6条第2項に定める協力的アプローチを実践するに当たって重要である。チリのような途上国がオーナーシップを持って制度運営を行うことで、多くの経験が得られる機会となる。また、チリ及び日本の民間セクターがつながる契機になることも期待される。 3)JCMプロジェクト形成を促進するために何が必要か。 チリ:対話やセミナーの開催などを通じて民間セクターのJCMへの参加を促すことが必要であり、他国と同様キャパシティ・ビルディングが重要課題である。また大学や研究機関などとの情報共有も有用であると考える。 カンボジア:JCMのプロジェクト形成を進めるために、いくつか検討課題が考えられる。一つ目は、再生可能エネルギー政策としてFIT導入が検討されており、大規模太陽光発電案件の形成などに関係する。二つ目は、省庁間調整の必要性であり、例えば低炭素技術に対する関税の取扱いなどについて検討を行うべきである。三つ目は、REDD+分野などで国際的な需要があり、JCMを通じたクレジット化についても検討すべきである。 インドネシア:オーナーシップを持ってJCMの実施をすることが重要であり、例えばインドネシアではJCMをより円滑に適用するための調査を自ら実施した。 4)パリ協定第6条に関連して、2020年以降に向け、JCM等の取組に何を期待するか。 環境省:パリ協定の第6条2項は二国間や地域での協力的アプローチの取組を認めており、JCMでは既にインドネシアとモンゴルでクレジット発行を行っており、これは第6条2項のITMOsの実例と言えるだろう。日本はUNFCCCにおけるアカウンティングのガイダンスのための交渉において、このJCM実施の経験に基づいて貢献ができると考えている。 |
キーメッセージ | パートナー国によって既に多くのJCMプロジェクトを実施している国、これからJCMの取組を活発化していきたい国などJCMの実施状況は様々であるが、各国の登壇者からそれぞれ異なる状況に基づいて得られた経験や意見が共有され、今後のさらなるJCMの進展についての期待が示された。 |
各種資料 | イベントフライヤー(英文)(PDF・155KB) 発表資料 1(英文)(PDF・317KB) 発表資料 2(英文)(PDF・1,581KB) |
イベント風景 | |
報告者 | 海外環境協力センター 渡邊 潤 |