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10:00-11:30

アジアの大気汚染と気候変動統合アプローチ

公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)

イベント概要

気候変動対策には、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス削減のみならず、大気汚染を緩和することも重要である。短寿命気候汚染物質をはじめとした大気汚染物質の軽減は短期間の気候変動を制限することができる。大気と気候のつながりへの認識が高まる中、政策担当者は気候変動と大気汚染政策の統合を強化したアプローチを取る必要がある。特にアジアではこれによる大きな便益が期待できる。今回のサイドイベントでは、アジア太平洋クリーン・エア・パートナーシップ(APCAP)や大気環境改善統合プログラム(IBAQ)など、主に政策担当者の能力向上を目的に最近設立された統合イニシアティブ等に焦点をあてる。

プログラム

  1. アジアの大気汚染と気候変動統合アプローチ
    エリック・ザスマン IGES(モデレーター)
    マルチナ・オットー CCAC
    マーク・ローレンス IASS
    エクラビャ・シャルマ ICIMOD
    ムンジュル・カーン バングラデシュ国環境省

セッションサマリー

アジアにおける大気汚染と気候変動緩和を統合した取組みは、近年の短寿命気候汚染物質(SLCP)に関する認識の高まりとともに注目を集めつつある。ブラックカーボンやメタン、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)などのSLCPは、比較的短期間での気候温暖化に大きな影響を及ぼす。そのため、SLCP削減によって、アジアの深刻な大気汚染と温暖化緩和を同時にそして短期間に効果を出すことが可能である。気温上昇2度以内目標のための二酸化炭素削減と同様にSCLP削減にも取り組むべきである。

特にアジア地域にとって、このSCLP緩和は効果が見込まれるが、一方で科学と政策の統合、フィールドリサーチ実施のための能力強化など課題もある。バングラデシュなどの国々では、例えば都市部の公共交通イニシアティブや料理用のストーブの改良、人々の意識向上、近隣諸国との協力推進などを進め、この問題に取り組んでいる。

キーメッセージ

  • 短寿命気候汚染物質(SLCP)削減は大気質改善と気候変動問題に寄与する。
  • 気候変動と清浄な大気のためのコアリション(CCAC)はSCLP削減の取組み推進のため2012年に設立された。農業、料理用ストーブ、廃棄物、都市の衛生など現在11のイニシアティブに取り組んでいる。
  • アジアでは、カトマンドゥ渓谷など特に雪と氷で覆われた地域においてブラックカーボン削減が必要である。
  • 科学と政策、実施の結びつき強化は、CCACや各国政府の大気浄化と脆弱な地域の気候を守る取組みを促進させる。

イベント風景

報告者