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15:15-16:45

日本の自治体の知見を活用した途上国都市の低炭素・レジリエント開発支援(バンコク都気候変動マスタープランの策定を事例としたケーススタディー)/横浜市の都市間連携にもとづくJCM案件形成

独立行政法人 国際協力機構(JICA)、一般社団法人 海外環境協力センター(OECC)

イベント概要

環境未来都市として気候変動対策に取り組む横浜市から、同市の気候変動対策にかかる先進的な取組み(CASBEE、ESCO等)について紹介するとともに、横浜市と連携してJICA技術協力プロジェクト「バンコク都気候変動マスタープラン策定・実施能力強化プロジェクト」を実施し、バンコク都気候変動マスタープラン(2013~2023)への横浜市の知見の反映を促進したOECCより、日本の自治体の有する先進的知見を途上国都市の気候変動マスタープランに取りいれるにあたって留意した点や、そのプロセスにおけるレッスンラーンドについて説明する。更にマスタープランの実施に取り組むバンコク都より、日本の自治体の知見を活用した活動を今後実施するにあたっての方向性や課題について報告し、これらをもとに先進国の都市が有する気候変動対策にかかる知見を途上国の都市で活用することの有効性や、活用にあたっての適切な実施手法について検討する。

また、2013年10月、横浜市とバンコク都では、従来の都市間協力を一層深化させるとともに、環境・低炭素等の都市づくりの分野で具体的な取組を実現させることを目的として、「横浜市・バンコク都都市づくりに関する覚書」の締結が行われた。本都市間連携をもとに、バンコク都地域におけるJCM案件発掘のためのFS調査を実施している。二国間クレジット制度(JCM)プロジェクト形成およびプロジェクトの実施により、バンコク都における、特に省エネ分野、廃棄物分野での温暖化効果ガスが削減され、マスタープラン実施促進に資することが期待される。

プログラム

  1. 低炭素社会とレジリエントな開発に向けたJICAの気候変動に対する取り組み
    ~日本の地方自治体との連携~
    Mr. Takahiro IKENOUE JICA 地球環境部 気候変動対策室 企画役(日本)
  2. バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)作成・実施能力向上プロジェクト
    Mr. Makoto KATO 海外環境協力センター(OECC)主席研究員(日本)
  3. バンコク都気候変動マスタープランのもとでのJCMプロジェクトの機会
    Mr. Makoto KATO 海外環境協力センター(OECC)主席研究員(日本)
  4. 閉会

セッションサマリー

  • JICA 気候変動対策室の池上氏は、JICAの事業概要、気候変動分野における協力の方向性について説明した。また、日本の地方自治体の協力を得て実施したJICAの気候変動関連分野の研修事例等を紹介した。
  • さらに、JICAが2011年以降、国際協力に積極的に取り組む地方自治体と包括連携協定を締結しており、その最初の事例が横浜市であること、及びJICAの技術協力案件である「バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)作成・実施能力向上プロジェクト」において横浜市がその気候変動分野の知見・経験をバンコク都側と共有したことが、プロジェクトの成功に繋がったことを紹介した。
  • OECCの加藤氏は、「バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)」の作成に至った経緯、背景について説明した上で、マスタープランを今後どのように実施していくかについて述べた。2023年までの長期にわたるマスタープランをバンコク都が実施していくためには能力向上が重要な要素であることを強調した。また、マスタープランの策定・実施にあたり、国レベルの省庁を含めた関連機関との連携が課題であり、この課題を解決するために横浜市の経験が活かされたと述べた。
  • OECC加藤氏はさらに、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism :JCM)の基本的な考え方や、JCMが「バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)」実施において果たす役割についても説明した。また、環境省がアジア開発銀行(ADB)と協力して実施中の資金支援プログラムについても紹介した。このプログラムは、資金支援により民間企業等の優れた低炭素技術導入を促進し、途上国における温室効果ガスを削減するとともに、JCMを通じて日本の温室効果ガス排出削減目標達成に資することを目的としたものである。

キーメッセージ

  • 気候変動に関する途上国支援を行う際に、先進国における地方自治体の知識・経験を活用することにより、高い協力の成果が期待できる。
  • 本セッションでは、「バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)作成・実施能力向上プロジェクト」実施に際しての都市間連携の有用性を示した。
  • 今後二国間クレジット制度(JCM)プロジェクト形成およびプロジェクトの実施により、バンコク都における、特に省エネ分野、廃棄物分野での温暖化効果ガスが削減され、マスタープラン実施促進に資することが期待される。

イベント風景

報告者