2021.11.8 MON

10:30 - 12:00

2021.11.8

二国間クレジット制度(JCM)の実施が創出するステークホルダーへの様々なベネフィット

環境省

共催者

一般社団法人海外環境協力センター

セミナー概要

現在、二国間クレジット制度(JCM)は日本と17のパートナー国との二国間協定に基づき実施されており、パートナー国での脱炭素技術の普及とGHG削減を促進しています。パリ協定6条に基づき、定量化したGHG削減量の一部は日本の削減目標達成に活用されると共に、JCMはパートナー国のNDC実施にも貢献します。また、JCMの実施はGHG削減だけでないコベネフィットを創出し、SDGを含むパートナー国の持続可能な開発にも貢献しています。
本イベントでは、JCM関係機関による調査結果及びパートナー国による最新情報を通じてこのようなJCMの役割やベネフィットを紹介します。また、パネルディスカッションではJCMが創出するベネフィットを拡大していくための方策や展望について議論を行います。

登壇者

  • ・ファシリテーター:一般社団法人海外環境協力センター(OECC)
    ・OECC
    ・モンゴル環境・観光省
    ・チリ環境省

    ▼オンライン参加者
    ・日本環境省
    ・公益財団法人地球環境戦略機関(IGES)
    ・公益財団法人地球環境センター(GEC)
    ・ベトナム天然資源・環境省

セッションサマリー

一般社団法人海外環境協力センター(OECC)の加藤真氏が司会進行を行った。日本国環境省の松本恵里氏は、日本のNDC目標について紹介の上、JCMは官民連携により、累計約1億トンのCO2削減目標を通じた目標達成に貢献すると述べた。OECCの藤瀬航氏は、JCMを含む炭素市場メカニズムの活用は、パリ協定6条2項の協力的アプローチに準拠すると述べ、JCM実施による様々なコベネフィットについて概説を行った。地球環境戦略研究機関(IGES)のTemuulen Murun氏は、JCMのパートナー国における持続可能な開発ガイドライン(SDガイドライン)に言及の上、JCMのSDGs達成貢献に関する研究成果の共有を行った。公益財団法人地球環境センター財団(GEC)の石原雅美氏は、ジェンダーガイドラインに関するJCMプロジェクト事業者の認識、及び実施程度の評価を目的としたオンライン調査の結果について共有を行った。
また、JCMパートナー国であるモンゴルから登壇のBatjargal Zamba氏は、モンゴルにおける各セクターの排出削減、大気汚染といった社会課題の解決にもJCMが貢献していると述べた。JCMパートナー国ベトナムから登壇のPham Thi Tra My氏は、自国でのJCM実施状況について説明の上、JCM実施による地域及び国際レベルでの経験共有の促進等のベネフィットについて説明を行った。JCMパートナー国チリより登壇のFelipe Diaz氏は、同国の新規NDCにおいて、パリ協定6条に基づく緩和行動が言及されていることにふれ、同国内のGHG排出削減、及び脱炭素技術導入における資金面でのJCMの貢献について説明を行った。最後に、日本国環境省及び関係機関へ求めることについて、パートナー国からの登壇者3名へ質問が行われた。登壇者からは、①さらなる資金援助、②JCMの規模拡大(対象セクター拡大を含む)を目的とした事業参画促進の方策、③進捗・成果の共有(議論)による長期目標達成に向けたさらなる協力、を期待する回答が得られた。

メッセージや成果

今回のサイドイベントの成果として、各JCMパートナー国における様々なベネフィットが共有されたことにある。それらベネフィットは気候変動対策としてパートナー国の国家政策及び削減目標達成に貢献するだけでなく、脱炭素社会に向けた民間セクターの取組の促進や社会課題の解決が含まれる。また、それら取組成果は、SDGsのゴールという指標で明確に示されたことも特筆すべき点として考える。今後、JCMによるGHG削減目標達成とともに更なるベネフィットを創出を促進するため、パートナー国のニーズに合った更なる優良事例の形成が期待される。

2021.11.8 MONタイムテーブル

13:00 - 14:30

2021.11.8

15:00 - 16:30

2021.11.8