2021.11.11 THU
10:30 - 12:00
2021.11.11
脱炭素社会への移行に向けたグリーン水素の国際サプライチェーン構築
環境省(地球環境局国際協力・環境インフラ戦略室)
セミナー概要
インド太平洋の脱炭素社会への移行のためには、再生可能エネルギーの利活用が必要不可欠であるが、国・地域によって再生可能エネルギーの利活用可能量は異なる。このため、二酸化炭素(CO2)を排出しないという環境特性を持ち、エネルギーキャリアとして再生可能エネルギー等を貯め、運び、利用することができる特性(貯蔵性、可搬性、柔軟性)を有する水素を活用することが重要である。水素技術を用いることで、例えば、島国であるがゆえにこれまで利用することができなかった海外の豊富な再生可能エネルギー資源、未利用エネルギー資源等を活用することが可能となる。
日本、豪州等のパートナー国、ADB等の国際機関においては、再生可能エネルギー由来水素(グリーン水素)の利活用を一国に留まらず国際的に推進するための取組が進められている。
グリーン水素の製造には大量の安価な再エネが不可欠であるところ、豪州は再エネ供給能力に余剰をもっており、この点で高いポテンシャルを有している。日本と豪州が2021年6月に首脳間で締結した「技術を通じた脱炭素化に関する日豪パートナーシップ」において、両国は脱炭素化及び排出実質ゼロの実現に向けてグリーン水素に関する連携を加速することとしている。
また、同月に開催された第7回日本国環境省・アジア開発銀行環境政策対話において、新たに水素に関する連携を進めることが合意されており、今後同行との具体的な連携を通じて、グリーン水素の需要発掘、市場創成に向けたアプローチを進めていく。
本イベントでは、上記のパートナーシップ、政策対話等に基づく日本、豪州等の政府、民間事業者、ADB等の関係機関による取組、先進的な事例等を紹介することにより、グリーン水素の国際的な普及・サプライチェーン構築及びインド太平洋の脱炭素社会への移行を促進することを目指すものである。
登壇者
- ・正田 寛 環境省 地球環境審議官
・杉本 留三 環境省 地球環境局 国際連携課 国際協力・環境インフラ戦略室 室長
・Mr. James Larsen Department of the Prime Minister and Cabinet (Australia) Climate Coordinator/ Deputy Secretary
・Mr. Darren Miller Australian Renewable Energy Agency (ARENA) Chief Executive Officer
・米川 和雄 パナソニック株式会社 品質・環境本部 環境経営推進部 環境渉外室 主幹
▼オンライン参加者
・藤井 進太郎 アジア開発銀行 持続的開発・気候変動局 気候変動・災害リスク管理課 環境・気候変動専門官
・Dr. Demetrios Papathanasiou Energy and Extractives Global Practice, The World Bank Global Director
・舘上 博 丸紅株式会社 海外電力プロジェクト第三部 部長
・Mr. Robert Grant Fortescue Future Industries Pty Ltd. Director of Energy
セッションサマリー
本イベントでは、日本国が豪州と連携し、グリーン水素の国際的な普及・サプライチェーン構築によりインド太平洋地域の脱炭素社会への移行を促進することを目的として、政府、政府機関、国際開発金融機関、民間事業者の取組や、先進的な事例等が紹介された。
冒頭、山口日本国環境大臣、テイラー豪州エネルギー・排出削減大臣及びスピアーズ南豪州政府環境・水大臣からそれぞれのビデオメッセージにおいて、日豪政府の水素分野での連携強化に対するコミットメントが表明された。
第1セッションでは、日本国環境省、豪州気候コーディネーター、豪州再生可能エネルギー機関(ARENA)、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行(WB)からの登壇者が、グリーン水素の利活用を国際的に推進するための取組について具体的なプロジェクトを挙げて説明した。登壇者は、それぞれ、地域内の小島嶼開発途上国(SIDS)及び途上国への包括的なエネルギー移行支援の重要性を強調した。同セッションのQ&Aでは、グリーン水素普及促進の文脈で日豪政府及び政府機関及び国際開発金融機関が各々担う役割について議論され、改めて日豪政府及び国際開発金融機関の連携の重要性が示された。
第2セッションでは、日豪の民間事業者(パナソニック株式会社、丸紅株式会社及びFortescue Future Industries社)が登壇し、水素エネルギー社会に向けた自社の取組について、グリーン水素他再生可能エネルギーを利用した燃料や製品の製造技術開発の進展及び導入について具体例を挙げて紹介し、民間セクターの野心的な脱炭素の目標及び展望が示された。
メッセージや成果
2021.11.11 THUタイムテーブル
13:00 - 14:30
2021.11.11
(公益財団法人)地球環境産業技術研究機構(RITE)
15:00 - 16:30
2021.11.11
地球環境戦略研究機関
17:00 - 18:30
2021.11.11
環境省、EU、UNEP、UNIDO、オランダ政府、世界経済フォーラム