2021.11.10 WED

13:00 - 14:30

2021.11.10

あれから10年。福島、その先の環境へ。
~福島の原発事故からの復興と脱炭素の先進地域を目指す取組を世界に発信~

環境省 福島再生・未来志向プロジェクト推進室

セミナー概要

あれから10年の福島の環境再生・復興の道のりと「福島県2050年カーボンニュートラル宣言」、脱炭素社会と復興まちづくりを同時実現する先進地の創出にむけた取組等、再生する福島、今の福島を知っていただく

登壇者

  • ・ペーター ヘニケ GJETC 共同議長/前ヴッパータール気候環境エネルギー研究所長
    ・布田 洋史 環境再生・資源循環局未来志向プロジェクト推進室長
    ・ゾーイ ヴィンセント 元福島県物産交流協会職員
    ・正田 寛 地球環境審議官

    ▼オンライン参加者
    ・山口 壯 環境省 大臣
    ・内堀 雅雄 福島県 知事
    ・吉田 淳 大熊町 町長
    ・吉田 数博 浪江町 町長

セッションサマリー

2011年に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年間の復興の取組とともに、脱炭素の先進地域を目指す未来志向の取組について、福島県、大熊町、浪江町と環境省からプレゼンテーションを実施しました。福島県は、「福島県2050年カーボンニュートラル」を宣言し、県民一体となった省エネルギー対策の徹底や、再生可能エネルギーの更なる活用推進、二酸化炭素の回収・再利用などの技術開発、ライフスタイルの変革に取り組むことを講演しました。
また、大熊町は、「10年前の全町避難という故郷を追われる痛みを経験したからこそ、気候変動によって同じ痛みを味わう人々が生まれてほしくない。」という想いを胸に、ゼロカーボンに向けた取組を行っていることを講演しました。
さらに、浪江町は、水素社会実現に向けて、なみえ水素タウン構想を推進し、世界初となる水素パートナーシップ宣言に調印するなど、世界に先駆けて、自治体における水素の利活用をリードするとともに、連携する自治体の輪を世界に広げていくことについて講演しました。
加えて、日本のエネルギー転換の現状と今後の課題について、ドイツとの比較を交えて、国際的な視点からドイツ人学識者による講演をいただくとともに、セミナーの最後には、震災後4年に渡り福島に居住していたイギリス人女性から、福島の魅力について発信いただくなど、福島の現状についての正しい情報の発信に努めました。

メッセージや成果

原子力発電は脱炭素社会の実現に向けて取り組む中で欠かせないと考えている国も少なくないことから、原子力発電による事故の被害にあった地域がどのように再生・復興しているのか、多くの方々が興味を持たれ、国籍、年代、性別等問わず、様々な背景の方々による想定を超える多くのご来場をいただきました。原子力発電所の事故の発生時から記憶が更新されず、福島について誤った印象を持たれている方々も海外には多くいる中で、地域の再生可能なエネルギーを活用した持続可能なまちづくりに先進的に取り組んでいることなど、福島の現状について直接お伝えすることで、理解を促すことができたものと考えています。環境省は、今後も国際的な情報発信を充実させ、福島について正しく認識していただけるよう努めていきます。