環境に優しい社会システムをいかに変革するか~多面的な便益をもたらす気候変動対策とは~
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国連工業開発機関(UNIDO)
イベント概要
今後、様々な環境変化に対応した安全な社会システムを確保するためには、コベネフィットとそれに相反するものを認識・管理しながら、統合的なアプローチを検討することが重要である。気候変動対策の中には、一見すると相反し合うようにしか見えない障害が数多く存在するが、正しい理解が得られれば、それらは同時に、多面的な便益をもたらす可能性がある。
より広範な社会システムにおいて、そうしたコベネフィットを最大化するためには、エネルギー等の資源、経済活動、社会環境問題という3つの観点からそれぞれの関係性について考察する必要がある。本イベントでは、こうした課題についていくつか重要なトピックを取り上げ、技術的な解決策を模索する。
プログラム
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- 開会
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- 気候変動よりどのように新たなビジネスチャンスを享受できるか?
- Mr. Mahama Kappiah ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)再生可能エネルギー・省エネルギーセンター CEO
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- エコシステム革新を推進する機会と課題とは?
- Mr. Kevin Braithwaite クリーンテックオープン 副社長
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- 環境に優しい社会システムを政府はどのように推進できるか?
- 永澤剛 経済産業省 地球環境連携室室長
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- 国際機関はどのような役割を担っているか? - LCETの場合
- 杉浦宏美 UNIDO 途上国技術移転担当課長
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- 国際機関はどのような役割を担っているか? - Nexusの場合
- Ms. Yuko Nagata UNIDO 技術開発職員
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- JCMにおけるコベネフィットの好事例
- 小林正典 NEDO 京都メカニズム事業推進部 主幹
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- 質疑応答
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- 閉会挨拶
- 宇仁菅伸介 NEDO 京都メカニズム事業推進部 部長
Mr. Pradeep Monga UNIDO エネルギー環境部 部長
セッションサマリー
「環境に優しい社会システムをいかに変革するか~多面的な便益をもたらす気候変動対策とは~」をテーマに、NEDOとUNIDOでイベントを共催した。ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)再生エネ・省エネセンターのカピアCEOからECOWASの持続可能エネルギー戦略、CLEAN TECH OPEN社のケビン副社長からGlobal Clean Tech Programme(途上国におけるエネルギー環境技術イノベーションを推進する企業家を支援)、METI永澤室長からJCMの制度概要と日本の地球温暖化問題解決への貢献の在り方、UNIDO杉浦課長とYuko Nagata氏からLCET(低炭素・低排出クリーンエネルギー技術移転プログラムプログラム)と、水・大気・土壌保全等と工業開発の両立を目指す取組について説明が行われ、NEDO小林主幹をモデレーターとして活発なパネルディスカッションとなった。
宇仁菅部長がエグゼクティブサマリーとNEDOを代表してのクロージングリマークを行い、最後にUNIDOモンガ部長が全体を締めくくり閉会となった。
キーメッセージ
これらのプレゼンテーション及び会場との質疑応答を通して、
1)様々な社会的な課題と気候変動問題を解決するために、水、エネルギー、廃棄物、貧困撲滅、食糧確保等の各種の問題を関連付けた統合的なアプローチが重要であること、
2)イノベーションを一層促進するためにはキャパシティビルディング、企業における取組の促進が重要であること、
3)イノベーションを進め、その成果として低炭素技術を普及するには、日本政府が提唱しているJCMの活用が一つの有力な方法であること
等が結論とされた。
イベント風景
報告者
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 窪田彩花