アジア低炭素都市に向けた先進的な取組み
-イスカンダル地域とプトラジャヤ市でのイニシャティブ-
国立研究開発法人 国立環境研究所(NIES)、マレーシア工科大学
イベント概要
低炭素都市を目指す、イスカンダル開発地域、プトラジャヤ市において、AIMモデルチーム、関連環境研究機関、東京都、北九州市、富山市などの日本の自治体、中央政府などが支援しながら進めている具体的な取組みを紹介する。フランス政府が提唱するSolution Agendaのベストプラクティスに匹敵する。ジョホール州知事、イスカンダル開発庁長官、イスカンダル開発地域を構成する5つの市の市長、プトラジャヤ市長による成果発表が行われる。
プログラム
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- 本セッションの概要
- Ho Chin Siong マレーシア工科大学 教授
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- イスカンダル・マレーシア地域を構成する5つの基礎自治体を対象とした2025年低炭素社会実行計画の公表
- Ismail Ibrahim イスカンダル開発庁 長官
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- マレーシアにおける環境技術の進展
- Loo Took Gee マレーシア・エネルギー・グリーン技術・水問題省 長官
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- プトラジャヤ建築物部門における二酸化炭素排出量測定・報告プログラムとプトラジャヤ市2025年のアップデート
- Hasim Bin Haji Ismail プトラジャヤ公社 代表
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- 議論
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- [モデレーター]
- 藤野純一 国立環境研究所 主任研究員
セッションサマリー
本セッションは、低炭素都市を目指す、イスカンダル開発地域、プトラジャヤ市を、AIMモデルチーム、関連環境研究機関、東京都、京都市、北九州市、富山市などの日本の自治体、中央政府などが支援しながら進めている具体的な取り組みを紹介した。フランス政府が提唱するSolution Agendaのベストプラクティスに匹敵する。
冒頭、マレーシア工科大学のHo Chin Siong教授から、JICA/JSTによるSATREPSおよび環境省JCM事業の一環として、特にイスカンダル開発地域およびプトラジャヤ市に行っている、低炭素社会に向けた科学的知見の提供を通じた支援の様子を、マレーシア国全体のコンテキストに基づきながら説明が行われた。
次に、イスカンダル・マレーシア地域を構成する5つの基礎自治体を対象とした2025年低炭素社会実行計画について、イスカンダル開発庁のIsmail Ibrahim長官から公表された。もともとはジョホール州首相が公表する予定だったが、パリに到着しながらジョホール州国王ご子息の逝去により帰国したため急きょ発表者が代わった。2012年ドーハではイスカンダル開発地域全体の低炭素社会実行計画を、2013年ワルシャワでは低炭素社会実現に向けた10の実行施策について公表してきたが、今回はいよいよイスカンダル開発地域を構成する5つの基礎自治体を対象とした低炭素社会実行計画づくりに至り、さらなる実施に弾みがつくことへの期待が表明された。
そして、マレーシア・エネルギー・グリーン技術・水問題省(KeTTHA)のLoo Took Gee長官から、マレーシア国全体における環境技術の進展について報告が行われた。
最後に、プトラジャヤ公社Hasim Bin Haji Ismail代表(いわゆる市長)から、プトラジャヤ建築物部門における二酸化炭素排出量測定・報告プログラムとプトラジャヤ市2025年のアップデートについて発表が行われた。2014年リマで建築物を対象とした取り組みを行うことがOmairi副代表(いわゆる副市長)から公表されたが、今回はそれをより具体的に進めていくためのステップと今後のスケジュールについての説明が行われた。
マレーシア政府高官の臨席のもと、イスカンダル開発地域およびプトラジャヤのトップが具体的な取り組みを実施していくことを宣言するセッションとなり、最後まで耳を傾ける参加者が多く見られた。なお、本セッションはSATREPSおよび環境省の支援を受けて実施された。
キーメッセージ
- 2012年COP18@ドーハではイスカンダル・マレーシア地域を対象にした低炭素社会実行計画が公表されたが、今回は当該地域を構成する5つの基礎自治体を対象とした計画がイスカンダル開発庁長官から公表され、より現地に根差した対策が進んでいることが示された。
- プトラジャヤ公社代表から東京都の支援を受けて行っている建築物省エネ・温室効果ガス排出量削減制度が公表され、来年から実施していくことが宣言された。
- マレーシア国のエネルギー行政を主管する省(KeTTHA)の長官臨席のもと、2つの地域のトップによるイニシャティブが公表されたことで、低炭素社会に向けて国と地域の連携がさらに加速することが期待される。
イベント風景
報告者
国立環境研究所 藤野純一