2022.11.9 WED

10:30 - 12:00
責任あるトランジション支援と信頼できるカーボンニュートラルへの道すじ
主催者
三菱UFJ銀行
セミナー概要
脱炭素化の緊急性は世界的に認識されているが、パリ協定に定められた期間内に各国がどのように排出量実質ゼロに移行するのかはまだ不透明である。ネットゼロを達成するためのパスウェイは単一ではなく、多くの国は個々の国の状況や物理的・地理的な制約を満たすために一連の技術を活用している。さらにアジアにおいては、増大する人口を支えるためのエネルギー需要と、新たな雇用機会の増加を伴う地域の継続的な工業化を比較検討する必要がある。「公正且つ秩序ある移行」を維持するためには、バランスのとれたアプローチが望まれている。
排出量削減と持続可能な成長を並立するためには、金融機関はこれらの違いを理解し、顧客とのエンゲージメント戦略を強化する必要がある。MUFG は、2050 年までにネットゼロを強くコミットしている日本の金融機関として、ポートフォリオ全体の排出量削減に強い関心を持っている。2050 年までにカーボンニュートラルを達成するという日本の気候変動への国際公約を実現するために、日本政府や産業界と緊密に協力している。また、MUFG は、グローバルにおけるトランジションを加速させるため、Glasgow Financial Alliance for Net Zero (GFANZ) や Net Zero Banking Alliance (NZBA) などのグローバルなイニシアティブや、Asia Transition Finance Study Group などの地域的なイニシアティブにも積極的に参加している。
本セミナーでは、アジアのトランジションに関連する課題と機会を、異なるステークホルダーの視点から紹介する。また、資金を動員し、地域における公正かつ秩序あるトランジションを実現するための技術の選択肢をより良く理解するために、金融機関が顧客とエンゲージすることの重要性についてさらに議論する。パネルディスカッションでは、パネリストがアフリカ・中東等を含む他の新興経済国や開発途上国に対しても、その洞察と示唆を提供する。

【イベントプログラム】
  1. 開会挨拶:MUFG 銭谷CSuO
  2. 基調講演①:World Bank Group Mr. Jorge Familiar, Vice President and Treasurer
  3. Fireside Chat:the London School of Economics and Political Science (LSE) Ms. Danae Kyriakopoulou, Distinguished Policy Fellow
    MUFG 河野顧問
  4. 基調講演②:MUFG 大嶋常務
  5. パネルディスカッション:
    (モデレーター)MUFG 石川渉外室長
    (パネリスト)
    Blackrock, Mr. Paul Bodnar, Managing Director, Global Head of Sustainable Investing
    LSE, Ms. Danae Kyriakopoulou, Distinguished Policy Fellow
    OECD, Mr. Michael Mullan, Programme Lead: Climate-resilient Finance and Investment
    ISSB, Dr. Ndidi Nnoli- Edozien, ISSB member
    HSBC, Mr. Justin Wu, Managing Director, Co-Head of Climate Change Asia Pacific
    Securities Commission Malaysia, Ms. Azreen Idayu Zainal, General Manager, Sustainability Department
  6. 閉会挨拶:MUFG 河野顧問
登壇者
  • 銭谷 美幸(三菱UFJ銀行) グループ・チーフ・サステナビリティ・オフィサー
  • Jorge Familiar(World Bank Group) Vice President and Treasurer
  • 河野 正道(三菱UFJ銀行) 顧問
  • Danae Kyriakopoulou(the London School of Economics and Political Science) Distinguished Policy Fellow
  • 大嶋 幸一郎(三菱UFJ銀行) 常務執行役員 ソリューション本部長
  • 石川 知弘(三菱UFJ銀行) 経営企画部 渉外室長
  • Paul Bodnar(Blackrock) Managing Director, Global Head of Sustainable Investing
  • Michael Mullan (Organization for Economic Cooperation and Development(OECD)) Programme Lead: Climate-resilient Finance and Investment
  • Ndidi Nnoli-Edozien(International Sustainability Standards Board, the IFRS Foundation) ISSB member
  • Justin Wu(HSBC) Managing Director, Co-Head of Climate Change Asia Pacific
  • Azreen Idayu Zainal (Securities Commission Malaysia) General Manager, Sustainability Department
セッション
サマリー

本イベントでは、「責任あるトランジション支援と信頼できるカーボンニュートラルの道筋」をテーマに基調講演、Fireside Chat、パネルディスカッション等を行いました。冒頭挨拶の後、カーボンニュートラルに関するMUFGの取り組み(NZBAやアジア・トランジション・ファイナンス・スタディ・グループ、MUFGトランジション白書等)を国際社会に発信。世界銀行の方からは各国の物理的・地理的制約だけでなく、経済発展の度合いも考慮しながら気候変動問題に対処する必要があるとのコメントをいただきました。パネルディスカッションでは、OECD、the London School of Economics、ISSB、Blackrock、HSBC、Securities Commission Malaysiaの多様なメンバーにご参加いただき、公正で秩序あるトランジションに必要なこと、信頼できるトランジションの道筋、情報開示のあり方について主に議論を深めました。パネリストからは、ダイベストメントではなくコミットメントが重要であること、実体経済全体のトランジションが必要であること、セクター別にトランジションの段階が異なること等の声が寄せられました。また、最後にこれまでのMUFGの取り組みについての賛同と、今後も共にトランジションを進めていくことを確認しています。

その他のタイムテーブル

2022.11.9 WED

13:00 - 14:30

ASEANのエネルギートランジションと脱炭素化のためのファイナンス動員

経済産業省
15:00 - 16:30

パリ協定達成に向けたJICAの気候変動対策 コベネフィット型気候変動対策の観点から持続可能な開発とのシナジーとトレードオフの理解を深める

独立行政法人 国際協力機構(JICA)
17:00 - 18:30

日本において企業は如何に脱炭素化を加速できるか

日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)
19:00 - 20:30

プラネタリ・バウンダリを重視した化学産業の2050年カーボンニュートラル実現とその新たな役割

東京大学